“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
病と闘う新潟の若きCB、早川史哉。
再びピッチに躍動する日を信じて──。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2016/06/29 17:00
選手、チームスタッフ全員が「早川史哉選手支援基金」(http://www.albirex.co.jp/news/club/49121)の下に活動している。
増田「史哉はサッカーに対して凄く真摯」
「史哉がプロに入って、僕も新潟に戻って来て、同じ時間を過ごして行くうちに、“こいつとは気が合うな”と思った。たわいもない話もするけど、サッカーや身体のケアの話をかなりするんです。史哉の知識は本当にマニアックで、筋トレとか身体の使い方など、細部を意識してトレーニングや日々を過ごしている。僕もそういうアプローチをしているので、話が凄く合うんです」
こう語るのは2011年に流通経済大柏高から新潟に加入し、その後群馬、大分、町田と渡り歩いて、今年から新潟に復帰した増田繁人だ。
「史哉はサッカーに対して凄く真摯。いろんなことを吸収しようとする。人間性を磨いたり、食事への意識やヨガを取り入れたりするなど、サッカーに活きることを貪欲にやって、サッカーに対していろんな角度からアプローチ出来る人間。一緒にいて、刺激になる。本当にサッカーが好きなんだなって伝わって来る」
増田はサッカー観、向き合う姿勢が共有出来る早川に尊敬の念を抱くようになった。だが、増田にとってもショッキングなニュースが届けられてしまった。
早川史哉は必ず新潟のピッチに戻って来る!
サッカーに対して真摯でまじめ。そして、すべてをサッカーに捧げ、堅実に生きて来た。だが、サッカーの神様はそんな彼に大きな試練を与えた。
正直、今後はどうなるかは分からない。もちろん筆者は1日でも早く、彼がピッチに帰って来ることを信じている。だが、一番辛い思いをしているのは、本人であることは間違いない。そして、彼は病気と闘わなければいけない。その事実だけは変わらない。
早川史哉は戻って来る。本人は闘い、周りの人間は信じて、彼をサポート出来ることをする。
彼からサッカーを奪ってはいけない──。
(現在、アルビレックス新潟は「早川史哉選手支援基金」を設置。広く支援を募っている 詳しくは http://www.albirex.co.jp/news/club/49121 まで)