明らかになったコンディションのバラつき。

　だが、ルーマニア戦で明らかになったのは、フィジカルコンディションのバラつきだった。グリエスマンやポグバ、マテュイディなどクラブで長いシーズンを終えた主力たちのフィットネスが明らかに良くない。それではとアルバニア戦に先発させた若い力は、経験不足を露呈して力を発揮できなかった。グループリーグ突破が決まっていたスイス戦は、3試合の中では最も伸び伸びとプレーができたが、攻撃での効率の悪さと決定力不足は解消されなかった。交代出場したマテュイディの調子が相変わらず今ひとつであったのも、気になるところだった。

　とはいえフランスには、開催国のアドバンテージがある。スイス戦からラウンド16まで6日間。十分な時間をかけて準備ができる。懸案の中盤は、現状ではアンカーにカンテを固定し、攻撃的なポジションは右にマテュイディ、左にポグバか、ふたりをその逆に並べるか。あるいはスイス戦の前半のように、右にシッソコ、左にポグバを置くか。

デシャン監督も悩むディフェンスの問題。

　ヴァイッド・ハリルホジッチはレキップ紙の問いかけにこう答えている。

「ふたつのスタイル（ポグバ＝マテュイディとポグバ＝シッソコ）はまったく異なる。前者はより高いディシプリンとハードワークが求められる。後者はより突破力があり力強い。スペースがある場合には、こちらの方が面白いかも知れない」

　逆に言えばプレッシャーがきつくスペースを与えてくれない相手には、マテュイディの方が適しているということになる。

　デシャンが頭を悩ませるもうひとつの問題がディフェンスだ。ママドゥ・サコを欠きラファエル・バランとジェレミー・マテューまで大会直前に離脱したセンターバックには、もともと不安があった。ここまで1失点できたとはいえ、ローラン・コシェルニーとアディル・ラミのふたりでこの先いったいどこまで持つか。スイス戦ではともに1枚ずつ警告を受け、もう1枚で出場停止である。控えには弱冠22歳で代表出場経験がまだないサミュエル・ウムティティと代表出場7回のエリアキム・マンガラしかいない。

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