ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
1位通過も、内容は期待から程遠い。
フランスのEUROグループリーグ総括。
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byClive Rose/Getty Images
posted2016/06/23 11:30
第1試合となるルーマニア戦、1-1のまま引き分けかと思われた89分、勝ち越しのゴールを決めたディミトリ・パイエ。
主力が本調子にならないと厳しい攻撃陣。
攻撃陣に関しては、主力がコンディションを取り戻して本調子にならない限り厳しい。そしてディフェンスは、パトリス・エブラ、バカリ・サニャ両サイドバックの攻撃力の弱さを含め、現状に目をつぶるしかない。それが今のフランス代表の現実である。
カンテはかつてのパトリック・ビエラのようなスーパーボランチではないし、パイエも必要不可欠とはいえジネディーヌ・ジダンには遠く及ばない。コマンやマルシャルは、'98年ワールドカップ当時の若かったティエリー・アンリやダビッド・トレゼゲほどの活躍すらしていない。
デシャン監督が、これからの一発勝負の戦いに向けて統率力・マネジメント力をどう発揮していくか。また選手たちが、これからどれだけの結束力を見せるか。
「ともに生き、ともに死ぬ」
2006年ワールドカップで決勝に進んだときに、選手たちの間から生まれた言葉だ。個人主義の国の選手たちが心をひとつにしたとき、想像を越えた大きな力がチームに生まれる。それもまたフランス代表の真実である。