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「3連覇するまで髭は剃らない」!?
独走ホークスの最強守護神サファテ。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byHideki Sugiyama
posted2016/06/08 07:00
193cmの長身から繰り出される豪速球が武器だ。昨季は連続イニング奪三振のNPB記録を43まで更新している。
「不安なくマウンドに上がれる」
ホークス移籍以降の成績は以下のとおりだ。
64試合 7勝1敗 37セーブ 防御率1.05
65試合 5勝1敗 41セーブ 防御率1.11
29試合 0勝3敗 18セーブ 防御率1.59 ※6月6日現在
サファテは言う。
「長く日本にいることで環境や文化の違いに慣れたことが、ホークスに来てからの活躍につながっていると思います。また、広島時代は怪我をしてしまった。西武の頃は調子自体はよかったけど、西武ドーム(現西武プリンスドーム)が非常に暑くて、コンディションを整えるのに苦労をしました。その点でヤフオクドームは素晴らしい球場だし、チームメイトは素晴らしいし、監督やコーチも最大限の配慮をしてくれてすごく信頼されているのも伝わってくる。その点が自信となり、不安がなくマウンドに上がれているのが良いと思います」
パ・リーグ新記録の月間12セーブを記録。
6月7日には、前月度の月間MVPを初受賞した。通算150セーブを達成した5月31日の試合で、もう1つの記録を打ち立てたことが特に評価された。月間12セーブをマーク。こちらはパ・リーグ新記録だった。
「パ・リーグには偉大なクローザーがたくさんいる中で光栄なこと。だけど、それはあまり気にしていなかった」
しかし、報道陣からさらに、もう一つの記録について話が及ぶと、そちらには「なんだ、もっと早めに教えてほしかったな」と冗談めかしながらも敏感に反応した。
5月は16試合に登板。あと1つで球団の月間記録に並ぶところだった。なかでも印象深い登板がある。5月7日のイーグルス戦だ。5月2日の移動日をはさみ、4月30日から5月5日まで異例の7連投目はさすがに疲労の色を隠せなかった。だが、試合前には「朝、起きたら肩や肘は思ったほど張っていなかった」と強がり、首脳陣にベンチ入りを志願した。
この日は「チームを勝たせたい」という使命感のほかに、どうしてもマウンドに立ちたい思いがあった。