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解雇が最も身近な職業はセリエ監督?
1年で8回監督を交代したクラブも。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2016/04/21 17:00
スパレッティ(左)とトッティの権力闘争はスパレッティの勝利に終わった。来季、ローマに彼の席はあるのだろうか。
スパレッティも1年で2度クビになったことが。
戦術面でいえば、攻撃の豊富なタレントを最大限に活かすべく編み出した超攻撃的な4-2-4に、スパレッティの戦術家としての矜持が現れている。
右からFWサラー、左からはFWエルシャーラウィが切り込み、フロントラインにコンバートされたMFナインゴランとMFペロッティが相手ゴールに迫る。4人のアタッカーたちが前線で織り成す多重アタックは、残りのカンピオナートで必見だ。
「私は、突然空から降ってきて、ローマの右も左もわからず、オロオロしているような人間じゃない。私はローマを勝たせるために、ここへ帰ってきたのだ」
来季こそ本気でスクデットを、と意気込む指揮官は、25日の35節、2位ナポリとの大一番に備える。
オリンピコに乗り込んでくるナポリには、出場停止処分の軽減請求が実ったエースFWイグアインの復帰が濃厚。来季CLへのストレートインをかけた南イタリア勢同士による直接対決は、両者にとっての天王山だ。
15年前、ベネツィア時代のスパレッティを1年で2度クビにしたザンパリーニは、シチリア島からどんな思いで激戦必至の一戦を見守るだろう。
その頃には残留争いも佳境のはず。よその試合どころではないかもしれないが。