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本田圭佑は新監督と何を話すのか。
アタッカー6番手の評価を覆す策は?
posted2016/04/18 17:30
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Getty Images
激動のミランが、50日ぶりに白星を取り戻した。
突然の監督交代と戦術変更を経たチームは、日曜の33節サンプドリア戦を1-0で勝ち、新指揮官ブロッキの下で再スタートを切った。
ぎこちなさは未だ残るものの、ようやく得た勝ち点3がチームに与えた安堵感は大きい。
ただし、MF本田圭佑はスタメンの座を失った。
ベンチスタートだったサンプ戦では、最後まで出番がなかったどころか、アタッカー陣の起用優先順位において最低の6番手扱いだった。
ミランの再出発とともに、本田の立場も7日間で激変したのだ。
本田を「忠実なる兵士」と呼び、全幅の信頼を寄せていた前監督ミハイロビッチは、前節ユベントス戦に敗れた3日後、オーナーのベルルスコーニによって更迭された。
「クラブ史上かつてないほど、今季のチームのプレーは醜い」と毒づくワンマンオーナーが、なお強権を振りかざしたことでチームは極度の緊張状態に陥った。
トップ下を使う4-3-1-2への戦術変更を明言。
言うまでもなく、このタイミングでの唐突な監督交代は、チーム崩壊と順位転落の危険を孕んでいる。
ユースチームから急遽トップチームへ引き上げられた新監督ブロッキは、3年前に現役を引退したばかりで、トップチームを指導したことはなく、経験不足への不安は否めない。ただし13日の就任会見の席では、終始緊張した面持ちながら自らの理想のチーム像を熱っぽく説いていた。
「ボールをキープしながら、グラウンダーのパスを繋いで攻める。我慢しながら、ゲームをコントロールする意志を持つチームであること」
そして、「4バックに3枚の中盤を好む」新指揮官は、前任者が重用した4-4-2から、トップ下を置く4-3-1-2への戦術変更を明言した。
今のミランに純粋なトレクアルティスタ(トップ下)は、本田とMFボナベントゥーラしかいない。
前任者ミハイロビッチも昨夏の就任時に4-3-1-2導入を掲げ、シーズン序盤に本田をトップ下で起用したが芳しい結果が出ず、試行錯誤の末堅実な4-4-2への移行を余儀なくされた経緯がある。