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なぜ自分がプレーするのか。~ラグビー一筋だったトップ選手が、1年間自らを見つめなおす時間を作る意義~
text by
藤島大Dai Fujishima
photograph byGetty Images
posted2016/04/13 09:00
2015年ラグビーW杯イングランド大会決勝。オールブラックス相手に奮闘するポーコック。
いつか酒場仲間の大学の先生が「ことしはサバティカルでロンドン。うっししし」と笑ったので初めて、その意味を知った。
一般には「長期勤務者に付与される一定期間の休み」か。辞書には「研究休暇」とも記される。
このほどデビッド・ポーコックというオーストラリアの首都キャンベラ在住、27歳の男性にそのサバティカルの取得が認められた。
職業は? ラグビー選手。FW第3列、背番号なら6、7、8番を等しくこなし、世界最高の実力者のひとりとされる。
オーストラリア代表ワラビーズの中核をなし、昨年のワールドカップ(W杯)決勝では、かのオールブラックスを向こうに、どう書けばよいのか、人間とは別の生き物のように地面のボールに吸いつき、ひったくり、劣勢のチームにあって驚異の奮闘をやめなかった。ラグビー愛好者同士なら、あの凄まじいファイナルの直後、以下の呪文で喜びわかち合えた。