プレミアリーグの時間BACK NUMBER
今冬の移籍はプレミア史上最高額!?
バーディー、ベイル、そして武藤嘉紀。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAFLO
posted2016/01/15 10:50
プレミアの移籍市場で存在感を発揮している武藤嘉紀。マンU入りは実現するだろうか。
ベイルの動向が武藤に与える影響。
筆者はチェルシーが興味を示した昨夏の時点では「急がば回れ」として時期尚早を唱えた口だ。マインツでの半年間だけでは「回った」とは言えないものの、現在のマンUであれば肝心の出場機会を得られる可能性がある。ルーニーのキャリアはセンターFWとしては末期にあり、アントニー・マルシャルとメンフィス・デパイは武藤と同じ発展途上の20代前半だ。
但し、武藤にとっては悩ましく、マンUとプレミアのファンにとっては楽しみな大物の可能性が1つ。レアル・マドリーからのギャレス・ベイル獲得だ。プレミアではトッテナム時代のウィンガー的イメージが強いが、ここでは今季のリーガ・エスパニョーラで先発13試合12ゴールの得点力と前線中央を好む当人の意思を尊重してストライカーとして扱いたい。マンUの獲得意思は以前からだが、去る1月4日のラファエル・ベニテス監督解任で今冬に動く可能性が高まった。
2013年のレアル入り以来、ピッチ上で最も充実した時間を過ごしていたのはFWとしてゴールを重ねたベニテス新体制下での今季前半戦だったに違いない。当人は監督交代への不満と今後への不安を抱えていると言われてもいる。その点、移籍金7500万ポンド(約135億円)を用意しているとされるマンUでは、センターFWまたはセカンドストライカーとして、望みの前線中央を定位置として与えられるだろう。
レドナップ「後半戦で15ゴールは決められる」
プレミアのピッチがベイルにとって、勝手知ったる戦場であることは言うまでもない。かつてトッテナムでベイルに大ブレイクの機会を与えたハリー・レドナップ元監督曰く、「後半戦で15ゴールは決められる。マンUを今季優勝に導ける」という一大新戦力となり得る。仮に優勝は無理だとしても、欧州トップクラスのスピードと空陸両用でFKもある得点能力を加えることで、マンUが内容と結果の両面でトップ4への説得力を増せば、ファンハールには契約最終年の来季に勝負をかけられる。
そして更に1年後には、当初予定されていたライアン・ギグス助監督の監督昇格もあるだろう。ギグスは同じウェールズ人であるベイルのアイドル。相思相愛の師弟関係の下、20代後半のピーク年齢を迎えるベイルのマンU時代が幕を明けそうだ。