セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
セリエAクラブが3部相手に次々と……。
大荒れのコッパ・イタリアで何が?
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2016/01/05 10:30
2003年の経営破たんで6部からの再出発を余儀なくされたアレッサンドリアの選手(左)。3部のチームがベスト8に入るのは31年ぶり。
“狂ったコッパ”は全くよめそうもない。
1月18日の準々決勝で、アレッサンドリアはスペツィアと対戦する。どちらが勝ち上がるにせよ、大会ベスト4に2部以下のクラブが進出する快挙は確定済みだ。
トーナメントの同じ“右の山”では、カルピがミランとぶつかる。スクデット争いには加われそうもないミランにとっても、今季のコッパ・イタリアは優勝した'03年以来13年ぶりとなるファイナル進出への絶好の機会だ。もし優勝できれば、来季のEL出場権も手に入る。
“左の山”では、ラツィオ('13年優勝)×ユベントス('15年優勝)、インテル('10年・'11年優勝)×ナポリ('12年・'14年優勝)の2カードで、近年の優勝クラブたちが潰し合う。
アレッサンドリアの快進撃に、コッパ・イタリア史上最大の番狂わせとして今も語り継がれる、'97年のヴィチェンツァ優勝の再現を期待する声も高まり始めた。
「サッカーは名前でするものではないし、ゲームで勝たせてくれるのも知名度などではない」(ディカルロ監督)
「一発勝負ならうちにも勝機はある」(カストーリ監督)
アウトサイダーによる奇跡は続くか。大混戦のスクデットレース同様、今季の“狂ったコッパ”の行方はまったく読めそうもない。