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厳しい批判に晒された'15年のホンダ。
メルセデスを倒す日まで耐え忍ぶ……。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byAFLO
posted2016/01/02 10:40
マクラーレン・ホンダのテストを見守る新井康久F1プロジェクト総責任者。
コピーするだけではメルセデスには勝てない。
「メルセデスのアイディアをコピーすることはできるが、それではメルセデスを上回ることはできない。サクラ(ホンダの研究所)のアイディアには、メルセデスとは違う文化が詰まっている。今年は厳しいシーズンだったが、これが機能すれば、他のチームはコピーするのが難しいだろう」(アロンソ)
ホンダへの論理的ではない批判や、外部からの登用を促す声に対して、新井総責任者が険しい顔をし続けていた理由も、そこにある。
確かにホンダの'15年は惨憺たる成績だった。その批判は甘んじて受けよう。しかし、ホンダがチャレンジしているアイディアはメルセデスに追いつき、追い越せるだけのポテンシャルがあり、ホンダにはそれを実現できるだけの技術がある。'15年はさまざまな問題によって、その成果を十分に発揮できなかっただけだ。
その確信を、新井総責任者の口から聞くことができる日が来ることを、いまは信じて待ちたい。