ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
フランスが抱えるテロ対策の難しさ。
現地スポーツ誌記者が解説する背景。
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byAP/AFLO
posted2015/11/25 10:50
パリ北部郊外、スタッド・ド・フランスの外で黙祷を捧げる人々。このスタジアムは'98年W杯が行われた場所でもある。
スポーツ界に与えた影響は?
――今後に向けてはどうなっていくのか?
「3日間はフランス全土が喪に服す。だからあらゆる集会やイベントが中止となり、スポーツでもイル・ド・フランスのアマチュアリーグの試合が延期された。サッカーだけでなく、ラグビーやバスケットボール、ハンドボールの試合もだ。
今、議論されているのが、火曜(11月17日)にウェンブレーで予定されているフランス代表の親善試合(対イングランド戦)を中止にするかどうかだ。しかし場所がウェンブレーなので、たぶん予定通りに行われるだろう。テレビで人々が見るのは、もっと別のものになるのだろうが(結局試合は開催され、追悼セレモニーまで行われた)」
――たしかにサッカーどころではないかもしれないな。
「それから今、来たメールによると、月曜(16日)に予定されていたアーセン・ベンゲルの講演会が中止になった。TF1(フランスの民間テレビ局)の解説者であるクリスチャン・ジャンピエールが書いた本の出版記念講演で、私も行く予定だったが」
――その解説者がアーセンの伝記を書いたのか?
「いや、彼が好きな人々について書いた本だ。だからアーセン・ベンゲルだけでなく、他の人々についての記述もあるのだが……。でも、イベント自体が中止になったという知らせのメールが来たよ」
――アーセンはパリには来ないのか?
「来ないと思うよ。現時点で私が君に言えるのはこのぐらいだ。今から『レキップ』に行って『ビーイン・スポーツ』(アルジャジーラによるフランスのテレビ局)のインタビューを受けるんだ」
――同じテーマか?
「そうだ」
――メルシー、ザビエ。