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「時間がない」はずのU-22が覚醒!?
新星の登場と“おとなしさ”の打破。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/11/04 10:30
ユース生え抜きでもあり、浦和で圧倒的な人気を誇る関根貴大。U-22代表でも中心になれるか。
本当にこのチームは「おとなしい」のか?
10月27日の福岡大学との練習試合を、手倉森監督はスタンドからチェックした。ハーフタイムも選手と接触していない。ベンチに入った秋葉コーチも、事細かな指示は与えなかった。
ならば、ハーフタイムや試合後のロッカールームが、沈黙に包まれていたのか。
そうではない。秋葉コーチは言う。
「選手同士でああしよう、こうしよう、と色々と話をしていました。この世代はおとなしいと言われているようですが、ゲームになればしっかり声を出していますし、今日の試合でもいい表現を見せてくれたと思います。
それと最終予選が近づいてきたということで、予選を突破するぞという気持ちが強くなってきているところもあると思います。そういう意味では、変わってきたかもしれません。うん、確かに変わってきましたね」
キャプテンとしてチームの先頭に立つ遠藤も、「おとなしい」のひと言で括られがちな雰囲気をマイナスにとらえていない。
「一人ひとりが内に秘めているものは、すごく伝わってくるんです。手倉森監督はリオでのメダル獲得を目標に掲げていて、それに向かってみんなが確実に努力していると、僕は感じています」
手倉森「やるときはやってくれる世代」
コーチとキャプテンの感触は、指揮官の思いとも重なる。福岡大との練習試合は0-0のスコアレスドローに終わったが、手倉森監督は滑らかに言葉をつないだ。
「以前からこのチームにいる選手は成長を感じさせ、新しいメンバーもチームがやろうとすることへの理解度は高い。求められていることを整理できている。やるときはやってくれる。それが、この世代の特徴ですから」
リオ五輪最終予選への「最終選考」と位置づけた10月下旬の合宿で、手倉森監督は何人かの新戦力をテストした。