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194cmの長身、ダンス仕込みの柔軟性。
イタリア代表に現れた救世主・ペッレ。

posted2015/10/22 10:30

 
194cmの長身、ダンス仕込みの柔軟性。イタリア代表に現れた救世主・ペッレ。<Number Web> photograph by AFLO

前線でボールが収まるペッレは、イタリア代表の攻撃のまさに起点だ。

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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 EURO2016予選を戦っていたイタリア代表が、10月の2連戦でアゼルバイジャンとノルウェーに連勝し、フランスでの本大会出場を決めた。

 アズーリは、最終的に同グループを首位で突破し、'06年秋以降のEURO及びW杯予選での50戦連続無敗記録も達成した。

 気を良くしたイタリア協会のタヴェッキオ会長が「フランスではベスト4がノルマ」と、早速怪気炎を上げれば、予選突破という難題をクリアした代表監督コンテも「われわれは優勝候補ではないが、本大会には(相手を奇襲する)小型戦闘車両として乗り込む」と好戦的な言い回しで、列強国に宣戦布告した。

 ブラジルW杯での惨敗ショックから15カ月、決して一筋縄ではいかなかったEURO予選を突破したことで、新参選手の多いチームがつかんだ自信は大きい。

アズーリでは珍しいプレミアFW、ペッレ。

 イタリアのチーム作りには、ターニングポイントが2つあった。

 一つ目は、長身FWペッレ(サウサンプトン)の固定起用だ。

 ペッレは、昨年10月のマルタ戦でフル代表にデビューして以来、通算4得点を挙げ、コンテ率いるアズーリのトップスコアラーへと成長した。今予選では、いずれも決勝点となったマルタ相手の2戦2発に加え、最終節となった今月13日のノルウェー戦でも、終盤82分に逆転決勝ゴールを決めている。

 首位突破を手繰り寄せたノルウェー戦での左足ボレーシュートは、右サイドを速攻で破ったMFフロレンツィ(ローマ)が放った高速クロスにダイレクトで合わせた、技術的難度の高い一撃だった。痛快無比のゴールに興奮したコンテは「フェノメニ!(怪物級のプレーだ!)」と3度も叫んだ。

 闘将コンテが就任当初から試したザザ(ユベントス)やインモービレ(セビージャ)といった若手FWたちは、注文のうるさい指揮官を満足させるに至らず、代わって台頭したのが昨季初挑戦のプレミアリーグで12得点を挙げたペッレだった。

【次ページ】 オランダでゴールを量産しても声はかからなかった。

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