セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
194cmの長身、ダンス仕込みの柔軟性。
イタリア代表に現れた救世主・ペッレ。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2015/10/22 10:30
前線でボールが収まるペッレは、イタリア代表の攻撃のまさに起点だ。
小粒とはいえ、アズーリのFW陣は絶好調。
アウェーのアゼルバイジャン戦で先制ゴールを挙げたFWエデル(サンプドリア)も、4-2-4の導入を「俺たちFWによりボールが集まるようになる」と歓迎する。こちらも“ブラジル以降”の新参組である帰化選手エデルは、今季開幕から好調を維持。セリエA7節までに6ゴールを挙げ、リーグ得点王レースをリードしている。
高度なドリブル技術を持つエデルは、ポスト役であるペッレとの相性も抜群。ともに連続先発したペッレと、来年の本大会に向けて揃って招集されるのはほぼ確実だ。
10月の連戦で、交代出場ながら流れを一変させたジョビンコや、右膝の腫れで今回の招集を途中離脱したFWインシーニェ(ナポリ)は今、トップコンディションにある。小粒だがピリリと辛口のスキルを持つ彼らのプレーを、是非ともフランスで見てみたい。
「イタリアを忘れてもらっちゃ困るぜ」
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UEFA/FIFAランキングの制度上、イタリアは12月12日に予定されている本大会の組合せ抽選で、第1シードから外れることが決まっている。
それでも、ノルウェー戦の決勝点アシストを決めたMFフロレンツィ(ローマ)は前を向く。
「他の代表チームに『イタリアを忘れてもらっちゃ困るぜ』って言うためにも、ノルウェーとの最終戦はどうしても勝ちたかった。シードされなくても問題じゃない。でかい目標があるなら、一番強い相手をぶっ倒すだけだ」
'15年秋仕様のアズーリに、CLを賑わすトップタレントはまだいない。だが、小粒で無名なりにも楽しみな戦力が育ちつつある。
コンテは予選を戦ったメンバーから、すでに本大会招集リストの18人前後を絞り込んだとされる。残る5人程度の枠をめぐるアピール合戦は、シーズンが熱量を増すこれからが本番だ。