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12球団の1位&外れ1位を大予想。
2015年ドラフトは高校生の抽選必至!
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byHideki Sugiyama
posted2015/10/15 10:30
プロのスカウトたちがベタ褒めする東海大相模の小笠原慎之介。競合は、そして入団先は……?
大谷のメジャー行きを睨む日本ハムは?
日本ハムは、阪神とは逆にわかりやすい指名をする。投手、野手にかかわりなく「今年一番いい選手」を1位入札するというのが球団の方針。'11年菅野智之(拒否)、'12年大谷翔平、'13年松井裕樹(抽選負け)、'14年有原航平と、その方針は一貫してブレがない。そして今年の有力候補は高橋純平。
大谷の数年後のポスティングシステムによるメジャー移籍が現実的なだけに、翌年だけに配慮した即戦力投手狙いというわけにはいかない。高橋は最多で5球団の重複というのが私の予想なので、負けたときの準備もしなければならない。外れ1位は野手の成功例(坂本勇人、山田哲人など)が多いので、捕手の木下をはじめ、高校生の勝俣翔貴(外野手・東海大菅生高)、大学生の茂木栄五郎(三塁手・早稲田大)、吉田正尚(外野手・青山学院大)まで視野に入れて考えたい。
巨人は“逆指名もどきの両想い”で澤村拓一、長野久義、菅野智之を1位で獲得したことでアンチの不評を買ったが、多くの球団が1位入札したがらない高校生野手の指名を'08年以降、2回敢行し('08年大田泰示、'14年岡本和真)、大学生&社会人を入れれば7年間で4人の野手を1位指名している。これは12球団中最多。ちなみに、即戦力の補強はFAなどトレード戦略で補填するという二段構えが巨人の特徴である。
中長期的なスパンでドラフトに取り組んでいる巨人の今年の候補は、高校生の高橋純平と小笠原。原辰徳監督以来、東海大相模高とは長く強いパイプがあるので、小笠原のほうが指名しやすいし、左腕の本格派はチームにとっても必要だと思う。
盤石のソフトバンクは3、4年先の大器を狙う。
ソフトバンクは弱いポジションがない。あえて探せば捕手だが現有戦力でも戦えるので昨年同様、高校生を主体にした戦略になりそう。第一候補は高橋純平と小笠原である。永山勝・アマスカウトチーフは「武田翔太、千賀滉大、松本裕樹('14年1位)が近い未来の3本柱」と言うが、3人より4人のほうが盤石だし、3、4年先を考える余裕がこのチームにはある。
弱点の捕手は社会人の木下拓哉、あとは順位やポジションに関係なく堀内謙伍(捕手・静岡高)、柘植世那(捕手・健大高崎)、広岡大志(遊撃手・智弁学園)など高校生野手に目配りして将来に備えたい。