中日は地元岐阜の高橋純平と予想。

　オリックスは過去2年、1位での競合を避け、社会人、大学生の一本釣りをめざした。統一ドラフトになった'08年以降では一本釣り4回、抽選負け3回で、負けの中には'10年の3度負け（大石達也、伊志嶺翔大、山田哲人）、'12年の2度負け（藤浪晋太郎、松永昂大）が含まれている。徹底してクジ運に見放されている球団と言っていい。

　投手成績は'14年1位、'15年2位と上位に定着している。しかし今季の成績を細かく見ると、ホールド69、セーブ30がリーグ最下位なので、リリーフ陣の再整備が重要である。大学選手権でリリーフに適性を見せた岡田明丈（大阪商業大）がストレートの速さ＋キレのよさでチーム事情に合っている。

　外れ1位候補は近藤大亮、近藤均（王子）、石橋良太（Honda）、角屋龍太（ジェイプロジェクト）、さらに27歳のベテラン・上杉芳貴（トヨタ自動車）が今季絶好調で目が離せない。プロ入りすれば新人王候補の1人になる。

　中日もオリックス同様、一本釣りの実績があるが、今年は地元の岐阜に高橋純平（投手・県岐阜商）という逸材が出現している。下半身主導の理想的なフォームが抜群の球持ちのよさを生み、打者手元でのストレートの伸びにつながっている。球速は優に150キロを超え、カーブ、スライダー、スプリットなどの変化球も一級品。

　外れ1位は野手が第一候補。長く中心的役割を担ってきた谷繁元信、小笠原道大、和田一浩が引退し、世代交代は必至。それでいて若手の層は厚くない。まずは長く懸案だった捕手の後継者に目星をつけたい。社会人の木下拓哉（トヨタ自動車）、戸柱恭孝（NTT西日本）あたりが有力候補になる。内野手なら走守のよさで目立つ吉持亮汰（遊撃手・大阪商業大）も即戦力候補だ。

西武にオススメしたい“素材”オコエ瑠偉。

　西武は'82年以来、2年連続でBクラスに低迷したことのない唯一の球団だったが、昨年に続き今年もBクラスに沈んだ。投手、野手とも弱さがあるが、ここまで挙げてきた楽天などの下位チームにくらべると選手が揃っている。こういうときには思い切って、完成度は低くとも超一流になり得る素材に向かうべき。その素材とはずばりオコエ瑠偉（関東一・外野手）。

　三塁打を打ったときの三塁到達10.75秒、二盗に要するタイム3.08秒はいずれも私が計測した中ではプロ・アマ入れて'03年以来最速である。外野守備も夏の甲子園大会で披露したようにプロに入ってもトップランク。プロは総じて投手を指名したがり、高校生外野手への評価は低いので1位で入札すれば即交渉権獲得の可能性は高い。

　投手陣は先発に岸孝之、牧田和久、菊池雄星、十亀剣、郭俊麟、野上亮磨、高橋光成がいて、中継ぎには最優秀中継に選出された増田達至、抑えは全日本候補の高橋朋己と盤石。それでも4位に落ちたのは高橋、増田に繋ぐまでのリリーフ陣の手薄さが原因。ここは大学、社会人の即戦力候補の中から西村天裕（帝京大）、石橋、角屋などストレートの速い投手の中から数人補強したい。

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