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ドイツで絶賛切り裂き中の原口元気!
引いた相手にこそ、ドリブルの出番。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2015/09/03 11:15
浦和レッズ時代、サポーターに数々の歓喜をもたらした原口。約1年半ぶりとなる埼玉スタジアムでのゴールを決めることができるか。
強豪のCBを置き去りにした高速ドリブル。
ただ、彼の手ごたえが確かなものであることは、翌週の首位ドルトムントとの試合でも証明されている。
1トップで先発したこの試合で、2トップのような形に変更した場面。左サイドに流れてパスを受けると、すぐにボールを前に置き、トップスピードに乗る。そこへ、ドルトムントのトゥヘル監督がその強さを手放しで称賛するギリシャ代表のソクラティスが、ボールどころか、原口の足まで刈らんとする勢いでスライディングを仕掛けてきた。
しかしこのギリシャ人センターバックは、ボールに触れるのはおろか、原口をファールで止めることすら出来なかった。原口はそのままスピードを落とさずに、あっさりとソクラティスをかわし、左サイドを駆け上がってみせた。
「今シーズンはボールを持ったら、どんな相手でも自信を持って仕掛けていけるんです」
そんな言葉通り、ドルトムントのDFラインで最もハードな選手が襲いかかってきても、原口が動じることはなかった。
ドリブルのタイミングは1つではない。
手ごたえを武器に日本へ戻ってきた原口は、カンボジアのような相手との試合でもドリブルを仕掛けていくのかと問われ、こう答えた。
「今の(ドイツでやっている)タイミングで仕掛けてもいいと思うし、もっと(相手を)見ながらドリブルをしてもいい。ピッチに入ってみての感覚で、臨機応変にやれたらいいなと思います」
その言葉に、特別力がこもっていたわけではない。サラッとそう言いのけるあたりに、1年という歳月をかけて身につけてきた自信が自然と表れていた。今の原口は、ドイツでの感覚、浦和時代に埼玉スタジアムでファンを湧かせていたような感覚、その両方を持っているのだ。