プレミアリーグの時間BACK NUMBER
プレミア、最大のサプライズは誰だ。
岡崎慎司の評価急騰は嬉しい誤算?
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAFLO
posted2015/08/31 11:50
レスターの岡崎慎司はプレミア特有のフィジカルなサッカーに早くも適応の兆しを見せている。一人で局面を打開するタイプではないだけに、チームとの相互理解が重要だ。
岡崎を含め、代表ウィークにもクラブの勢いを維持したい。
もう1名はストークで背番号「1」を得たGKジャック・バトランド。移籍は2013年1月だが、その後の2年半はレンタル移籍が続いており、新戦力も同然だ。前守護神は、今夏に移籍した、プレミア屈指のGKアスミル・ベゴビッチ。重いバトンならぬグローブを受け継いだ22歳だったが、開幕4戦での17セーブで敵のシュートと共にプレッシャーをはね除けてみせた。
2節トッテナム戦(2-2)は、バトランドの反射神経がなければ4失点で敗れていただろう。続くノリッチ戦(1-1)では6本中4本が指先セーブを含むトップクラスのセービング。実は指の付け根を骨折していたというのだから、マーク・ヒューズ監督が名指しで讃えたのも頷ける。4節ウェストブロムウィッチ戦(0-1)でも、前半の内に退場者2名を出したチームの最後尾でセーブを重ねて被害を最小レベルに抑えている。
怪我をおしての連続出場には、8月30日に予定されていたイングランド代表メンバー発表という理由もあった。痛みに耐えたバトランドの努力は、3年ぶり2度目の代表招集で報われてもいる。
だが、ヒューズも釘を刺しているように、まずは「クラブでの足場固めが先決」だ。これは前述した“サプライズ勢”の全員に共通で、代表ウィークを迎える当人たちも、リーグでの調子と勢いを失いたくない気持ちは強いはずだ。プレミアを観る側の1人としては、更に観戦意欲をそそるスパイスとなる新たな“サプライズ”の出現も期待しつつ、9月半ばのリーグ再開を待ちたい。