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昨季のJ王者とK王者がACLで死闘!
アウェーでガンバが及第点のドロー。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byGetty Images
posted2015/08/27 12:15
厳しいマンマークにあいながらも果敢にゴールを目指した宇佐美。最後まで攻めの姿勢だけは変わらなかった。
お互いギリギリの攻防の結果だった0-0のドロー。
71分、ガンバDFが守備ラインの位置でイ・ジェソンにボールを奪われ、ゴール前までボールを運ばれる。
77分、再び宇佐美が左サイドをドリブルで突破。
78分には後半開始から投入された倉田秋がスペースの空いた中盤中央でドリブル、右サイドにボールを通した。
前半はなかなかスペースが得られなかったガンバが攻撃を仕掛け始めたことにスタンドが動揺し始めた。
それでも全北は攻撃を緩めず、サイドを起点にガンバゴール前にボールを送り込んだ。93分に途中から投入されたルイス・エンリケが左サイドで股抜きを見せ、決定機をつくるなど攻撃を仕掛けたが、ガンバもこれを凌ぎ切り、0-0のドローに終わった。
全北監督チェ・ガンヒが見せた「宇佐美への執念」。
実はこの試合、ガンバ大阪の長谷川健太監督が「まったく予想もしなかった」という布陣を全北が敷いてきていた。
ふだんは4-2-3-1を採用することが多い全北が、この日はアンカーにチェ・チョルスンを起用し4-1-4-1で戦った。チェは通常、左右のサイドバックでプレーすることが多い選手だけに試合前から記者席の韓国人記者も騒然としていた。
試合後、全北監督のチェ・ガンヒは起用の背景を「宇佐美への執念」だと明らかにした。
「ガンバの試合映像を研究して試合に臨んだ。すると50%以上、いや70%が宇佐美から攻撃が生まれている。これを遮断しようと考えた。アンカーのチェ・チョルスンには宇佐美を抑えるように、加えてセンターバックのキム・ヒョンイルにはパトリックを抑えるように指示した」
チェ・ガンヒ監督は前日会見でも「ガンバは日本らしく中盤のパス展開が上手いチーム。中盤と前線のパス交換を絶つことが重要」と口にしていた。
実際にチェ・チョルスンは、前半からほぼマンツーマンで宇佐美を抑えにかかった。宇佐美にボールが入るとタイトに体をぶつけ、ボールを持って前を向かせることすら許さなかった。「とくに前半は宇佐美がマークに苦しんでいた」と見た長谷川監督は、後半に宇佐美を左サイドのポジションに移す決断を下すほどだった。