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昨季のJ王者とK王者がACLで死闘!
アウェーでガンバが及第点のドロー。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byGetty Images
posted2015/08/27 12:15
厳しいマンマークにあいながらも果敢にゴールを目指した宇佐美。最後まで攻めの姿勢だけは変わらなかった。
全北へのエース対策を見事にやり遂げた丹羽大輝。
この日、右サイドバックで起用された丹羽大輝は、前半に2度ほど相手に突破を許すシーンも見られたが、試合が進むに従い、徐々に落ち着きを取り戻した。
全北の左サイドMFレオナルドは、スピードある突破と右足の正確なキックが持ち味で昨季のリーグ優勝の立役者となった存在。今季もここまでリーグ戦で27試合に出場し、9ゴールを挙げている。
丹羽は試合中に対峙しながら、あるポイントに気づいた。
「守備があまりできない選手。試合の途中に対面しながら気づいた。すると自分がポジションを下げずに、前に出ていけば、相手のストロングポイントを消せると思った。実際にそうやって、少しずつこちらも攻撃が仕掛けられるようになった」
こちらが攻撃を仕掛けていけば、相手は守備に回らざるを得ない。すると弱点を露呈する上に、長所を発揮しにくくなるということだ。この点は2戦目では試合序盤から有効活用できそうだ。「ガンバの右サイドの攻防」は第2戦の見どころのひとつとなった。
全北は中国相手にアウェーで勝ち越す事を経験済み。
とはいえ、ガンバとて油断は禁物だ。
全北は今季、国内リーグで「一強」と言われる状態にある。「押し込みながらも相手の粘りからゴールをなかなか奪えない展開」を幾度も経験している。韓国メディア曰く「免疫ができている」。チェ監督はその度に選手やフォーメーションを入れ替え、次戦には修正してきた。実際今季は、CB以外はどんどん選手やポジションを組み換え、ここまでリーグ戦では17勝5分5敗(2位に勝ち点7差)の結果を残している。この日も韓国代表のレフティー、イ・ジェソンを中央から右サイドに移した後、イがより攻撃に絡めるシーンが増えたりもした。
もうひとつ、全北について警戒するべき点がある。チェ自らが試合後口にした点だ。
「我々はラウンド16でも北京国安相手に、難しいアウェーゲームで勝った経験がある」
5月26日、全北は確かにアウェーで4万3000人が集まった難しい状況の中で1-0の勝利を収めている。全北はその前の5月19日、北京相手にホームで1-1のドローを演じてしまった。つまり、今回のガンバ大阪との対戦と似た状況は経験済みということだ。
はたして9月16日の第2戦の結果はどう出るか。
今大会、韓国勢でベスト8に勝ち残っているのはこの全北のみだ。もしガンバ大阪がこの韓国勢の最後の砦を打ち崩せば……アジアチャンピオンズリーグの歴史の流れが変わる瞬間を目にすることになる。