清宮に触発されたように輝いた1年生。

　今年の夏。甲子園の女神が清宮に微笑んだのはケタ外れの数字が物語っている。

　そして、このスーパー1年生に触発されるように、同学年の選手たちも輝きを放った大会であったことも忘れてはいけない。

　チームメートの服部雅生もそのひとりだ。

「結果的に清宮が活躍してくれましたよね。リトルで世界一にもなった選手なんで、とても頼もしい存在です」

　自らは黒子に徹して、と言わんばかりに球友を立てる服部ではあるが、彼もまた甲子園で一皮剥けた選手である。

　3試合に登板し、計6回1失点と上々の甲子園デビュー。なかでも、接戦となった広島新庄戦では、7回からマウンドに上がり3回1失点の好投でチームに勝利を呼び込んだ。

「広島新庄戦のような競り合った展開で投げられたのは大きかったです。チームがいい流れであれば、その流れに乗ったピッチングを心がける。逆に悪い流れならば自分がその流れを変えるために思い切って投げる。僕はちょっと、気が弱いところがあるんですけど、甲子園でそういう厳しい試合を投げさせてもらったことで成長できたというか。マウンドに立つと燃えるようにはなりましたね」

「甲子園で自信をつけた」

　早実の「1年生コンビ」を象徴するように、今年の1年生は、「甲子園で自信をつけた」と言い切る選手が多かった。

　熊本県大会の初戦でいきなり4番を任され、初打席で満塁本塁打の衝撃デビューを飾った九州学院の村上宗隆もそうだ。

　予選から清宮と比較されてきた。「清宮君のほうが上なんで。意識は全然していませんし、緊張もしませんでした」と話していたが、甲子園初戦の遊学館戦は無安打。チームも敗退したが、悔しさをにじませながらも今後への可能性をしっかりと口にしていた。

「小孫（竜二）さんは、140キロ以上のボールを投げるいいピッチャーでしたけど、自分のスイングはできたと思っています。甲子園に来て、自信をつけることができました」

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