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甲子園有力8校と、注目初戦5カード。
投手は東海大相模が抜群、野手は? 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byHideki Sugiyama

posted2015/08/06 08:00

甲子園有力8校と、注目初戦5カード。投手は東海大相模が抜群、野手は?<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

今大会最大の注目を集める早稲田実業の清宮幸太郎。早実を倒せば目立つだけに、多くの学校はその機会を待っていることだろう。

花巻東の高橋、5年連続初戦勝利の明徳は?

 この聖光学院vs.東海大相模(7日目・第1試合)をはじめとする好カードは次の通りである。

専大松戸vs.花巻東(2日目・第1試合)
静岡vs.東海大甲府(2日目・第4試合)
明徳義塾vs.敦賀気比(3日目・第2試合)
仙台育英vs.明豊(4日目・第4試合)

 専大松戸vs.花巻東は奪三振率10.3を誇る高橋樹也(花巻東)をチーム打率.377の専大松戸打線がどう攻略するのかに注目が集まる。

 静岡vs.東海大甲府には強打のガチンコ勝負を期待したい。静岡は1番鈴木将平、3番内山竣、4番堀内謙伍、5番安本竜二の上位打線、東海大甲府は3番角山颯、4番平井練、5番松岡隼祐のクリーンアップにチームの命運を託す。

 明徳義塾vs.敦賀気比は、人によっては明徳義塾のほうを優勝候補に推すだろう。これまで5年連続して選手権の初戦を勝ち上がっている実績は無視できない。そもそも同校が甲子園大会の初戦で敗れたのは1987年春、2011年春の2度しかない。その明徳義塾より敦賀気比を推すのは、平沼翔太をはじめとする投手力が上回っていると思うからだ。

予選打率.423の仙台育英は明豊と対戦。

 仙台育英vs.明豊は、数字的には仙台育英が圧倒している。チーム打率.260の明豊に対して仙台育英は参加校中、鳥羽の.429に次ぐ.423を誇る。プロ注目の好打者、平沢大河が宮城大会の打率.176と大不振に陥りながらこの数字である。エース・佐藤世那も不調で優勝候補としては太鼓判を押せるほどの安定感はないが、選手個々の潜在能力の高さはトップクラス。

 その仙台育英に対して、明豊は大分大会では初戦(2回戦)から楊志館、日田林工、宇佐、柳ヶ浦、大分商と強豪校を連破してきた。とくに決勝の大分商戦ではドラフト1位候補、森下暢仁を僅差の1-0で攻略している。この勝負強さは数字で推し計れないと思う。

 初戦から決勝までトーナメント表の山が最初から決まっていれば優勝争いの焦点はもっと絞れてくるが、2回戦、3回戦、準々決勝、準決勝の組み合わせはそのつど抽選で決められるので先が読みづらい。ここからは活躍が期待される選手に焦点を絞りながら話を進めていきたい。

【次ページ】 投手はなんといっても東海大相模の2人。

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