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甲子園有力8校と、注目初戦5カード。
投手は東海大相模が抜群、野手は?
posted2015/08/06 08:00
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
Hideki Sugiyama
第97回全国高校野球選手権の組み合わせを見て、有力校がうまい具合に散ったと最初は思った。私が考える有力校とは、登場順に東海大甲府、敦賀気比、智弁和歌山、天理、仙台育英、高崎健康福祉大高崎(以下健大高崎)、関東第一、東海大相模の8校である。この有力校8校の得点と失点をまず紹介しよう。
東海大甲府(5試合)……得点40、失点3、得失点差+37
敦賀気比(4試合)………得点29、失点6、得失点差+23
智弁和歌山(5試合)……得点29、失点5、得失点差+24
天理(5試合)……………得点36、失点3、得失点差+33
仙台育英(6試合)………得点68、失点9、得失点差+59
健大高崎(6試合)………得点38、失点7、得失点差+31
関東第一(6試合)………得点64、失点6、得失点差+58
東海大相模(7試合)……得点55、失点5、得失点差+50
攻撃力と守備力のバランスのよさが、これらの数値からはよくわかる。実は最初に考えた「有力校」はこうではなかった。東海大甲府ではなく同校と1回戦で対戦する静岡、また健大高崎ではなく1年生スラッガー、清宮幸太郎人気に沸く早稲田実を上位に考えていた。ともに6試合戦って、静岡は得点53、失点13、得失点差+40、早稲田実は得点50、失点28、得失点差+22。
聖光学院は有力だが、初戦の相手があまりに厳しい。
もうおわかりいただけたと思うが、両校を「有力校」とすることをためらわせたのは失点の多さである。以上の有力校、伏兵以外でも失点が5以内で、得失点差が+20以上を記録するのが次の5校。
聖光学院(6試合)………得点45、失点4、得失点差+41
遊学館(5試合)…………得点27、失点3、得失点差+24
広島新庄(6試合)………得点27、失点4、得失点差+23
下関商(6試合)…………得点41、失点5、得失点差+36
宮崎日大(5試合)………得点31、失点3、得失点差+28
聖光学院の数値は躊躇なく有力校に入れなければいけないレベルだが、初戦で対戦するのが優勝候補の筆頭に挙げられる東海大相模。聖光学院がこの難関を突破すれば優勝候補の一角に格上げされることになるが、大会前の今、東海大相模を外して聖光学院を優勝候補に入れる勇気が私にはない。