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都市対抗のドラフト候補45人を紹介!
“東高西低”の勢力図は変わるのか。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/07/10 10:50

都市対抗のドラフト候補45人を紹介!“東高西低”の勢力図は変わるのか。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

東京ガスの山岡泰輔は高校時代に日本代表を経験し、21U世代でもワールドカップに出場した逸材。ドラフト解禁は来年だが、目玉となるか。

補強選手が最優秀選手賞を受けることも多い。

 この勢力図が、昨年は塗り替えられた。決勝に進出したのは東海地区の西濃運輸(岐阜)と北関東地区の富士重工業(群馬)で、両県による決勝戦は1946(昭和21)年の第17回大会、大日本土木(岐阜)対全桐生(群馬)以来68年ぶりのことである。神奈川・東京以外の地区がレベルアップしていることは間違いないだろう。

 まず、補強選手に注目した。昨年優勝した西濃運輸はトヨタ自動車、三菱自動車岡崎から3人、準優勝した富士重工業は新日鉄住金鹿島、日立製作所から3人、選手を補強した。西濃運輸は佐竹功年(トヨタ自動車)、富士重工業は石崎剛(新日鉄住金鹿島)が大会後に優秀選手(投手部門)に選出されているが、'07年の第78回大会に優勝した東芝などは補強選手5人(当時)のうち、西郷泰之(三菱ふそう川崎)、石塚信寿(三菱ふそう川崎)、渡部英紀(三菱重工横浜硬式野球クラブ)が優秀選手に選出され、西郷は打撃賞の表彰も受けている。

 ちなみに、補強選手が最優秀選手賞に相当する橋戸賞を受賞したのは過去に11人いて、敢闘賞に相当する久慈賞を受賞した選手も同数の11人。補強選手がチームの浮沈に大きく関わっている現実がおわかりいただけると思う。

東京ガス、富士重工業らが集まる死のブロック。

 注目カードを紹介しよう。1回戦では東京ガス対大阪ガス(18日・第2試合)、富士重工業対日本通運(19日・第1試合)に注目が集まっている。

 東京ガスのエースは瀬戸内高卒2年目の山岡泰輔だ。来年のドラフト上位指名が確実視されている本格派右腕で、今予選では3試合22イニングを投げ、失点はわずか3。やはりドラフト候補として注目を集める横山弘樹をNTT東日本から補強し、投手陣に不安はない。

 対する大阪ガスも大阪体育大卒の新人、酒居知史をはじめ猿渡眞之、小畑彰宏、飯塚孝史にパナソニックからの補強選手、近藤大亮を加え盤石の投手陣を形成する。勝者を予想するのは非常に難しく、勝ち上がれば富士重工業対日本通運の勝者との3回戦が待っているので、このひと塊りを“死のブロック”と呼んでいいだろう。

【次ページ】 前年度王者は、補強の恩恵を受けられないのが痛い。

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