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“いい人”ミルコ・デムーロが、
どうしても勝ちたいライバル騎手とは。 

text by

渕貴之

渕貴之Takayuki Fuchi

PROFILE

photograph byShigeyoshi Ohi

posted2015/06/19 10:50

“いい人”ミルコ・デムーロが、どうしても勝ちたいライバル騎手とは。<Number Web> photograph by Shigeyoshi Ohi

1999年に短期免許で初来日し、以来GIだけでも12勝をあげているミルコ・デムーロ。今年2年に免許試験に合格してJRA所属となった。

日本語でのインタビューが始まると……。

 インタビューが始まってもミルコはやっぱりニコニコで、日本語の質問に日本語で淀みなく、どことなくかわいい口調で答えていく。

 ドゥラメンテでレースレコードタイムを叩きだし、自身2回目のダービー制覇。

 勝利後、こちらまで嬉しくなるほどミルコが喜んだのは、今年からJRA所属ジョッキーになって初のダービーで、「メチャ気合いが入っていた」からだ。

 大好きな日本で、日本のジョッキーとして最高のレースに勝って、そりゃ嬉しいだろうなあ。ましてやミルコ、2013年にはいちど騎手免許試験に落ちてるし。

香港でどうしても勝てなかった、“マジックマン”。

 日本の騎乗だけ見ているとなかなか想像できないが、ミルコはこの数年、イギリスやフランス、香港では強い馬に恵まれず、日本以外ではそうとう苦労していたらしい。

 特に香港でどうしても勝てなかった、ジョアン・モレイラに勝ちたいそうだ。

 そこだけはミルコの口調に力がこもる。

“マジックマン”とも呼ばれるモレイラはブラジル出身の騎手で、シンガポールで1日8勝とか、香港でシーズン最多勝利とか、最近じゃんじゃん記録を更新している世界的名手だ。

 だからこそ、「勝ったら世界一」。

 ミルコはますます語気を強める。

 モレイラは昨年の安田記念でグロリアスデイズに騎乗しているが、この先の来日予定は今のところない。だが、いつかは日本で勝負の機会がくるだろう。

 その時はもちろんオッズ抜きでミルコを応援しよう。

 だけどできれば勝ってもらって、次に会うとき「お世話になってます」と伝えるのだ!

ミルコ・デムーロが“JRA所属騎手”として勝ったダービーの喜びと、
戦いの場として日本を選んだ真意を語ったインタビュー
「今回は日本人ね。だからすごい嬉しい」は、
現在発売中のNumber880号でお読み下さい。

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ミルコ・デムーロ
ドゥラメンテ

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