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「僕が上がってもオトリに使え」
長友佑都、勢いから落ち着きへ。 

text by

寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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posted2015/06/12 16:30

「僕が上がってもオトリに使え」長友佑都、勢いから落ち着きへ。<Number Web> photograph by AFLO

今季は故障もあり、所属するインテルで苦しいシーズンを送った長友佑都。代表にかける思いはそれだけに強い。

「日本はアジアの頂点にいなくちゃいけない」

 高い目標を掲げ、そこへ向かう突き抜けるような勢いでブラジル大会を目指した前回のW杯アジア予選。しかし、今は違うと話す。

「ザッケローニ監督のときは、良い出だしを切ることができ、アジアカップでも優勝できたけれど、コンフェデで負けたりW杯で惨敗もした。アジアカップを戦って、改めてアジアの戦いが簡単でないことを思い知った。W杯へ行くのは当たり前じゃないという強い危機感を持っていないといけない。

 同時に、日本はアジアの頂点にいなくちゃいけないというプライドもある。アジア予選のときから、W杯のテンション、そういうものを選手一人一人が持って戦わなくちゃいけない。ロシアまでの3年間も本当に山あり谷ありの3年間になると思う。そういうなかで選手がブレずにしっかりとやれれば、いい結果が出せると僕自身は信じているし、この監督の元でいい結果が出せるという期待があります。

 本当に一歩一歩が大事になる。次のシンガポール戦で自分たちがどういうサッカーができるのか、自分がチームのために何ができるのかを考えることが重要。先のことを考えすぎずに、今できることをチームのためにやっていきたい」

ベテランとして、いかにチームに貢献できるか。

 W杯ベスト16進出、アジア王者と歓喜と共に勢いよくステップアップしてきた。しかし、2014年には深い失意を味わうことになった。栄光と挫折を知るからこそ、日の丸を背負うことへの執着心が高まる。

「この1年間、結果が残せなかったからこそ、今は結果を出したい。日の丸をつけて、結果を残すことがどれほど幸せなのかを2010年のW杯や2011年のアジアカップで経験した。そして、結果が残せないというのも味わった。両方を経験しているからこそ、アジアの頂点に立ちたいし、W杯でもグループリーグを突破したい。そういう強いチームの一員として戦いたい」

 ベテランとして、いかにチームに貢献できるか? そして、戦力として監督の期待に応えられるか? あらゆる現実を危機感を持ってとらえることが、長友佑都の進化を促すに違いない。

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