なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
予選53得点1失点のスイスを撃破!
なでしこ“苦戦”の原因を選手直撃。
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph byAFLO
posted2015/06/09 16:40
187cmの長身を誇る山根恵里奈は、いわばなでしこの「秘密兵器」。ハイボールを押さえ、欧米勢との体格差を埋めることが期待される。
阪口「前につなげなくて自爆してしまった」
好調なスタートを切ったかに見えたなでしこだったが、時間の経過とともにリズムが崩れていく。後半は完全にスイスのペースに巻き込まれ、最後は何とかしのいでタイムアップを待つ形となった。
ボランチでフル出場した阪口は、後半の苦しかった展開をこう説明する。
「どうやって状況を打開しようかと考えていたけど、つなぎたくても前につなげなくて、自爆してしまった感じ。相手の勢いに押されたわけじゃないけど、後半は最後までどうすることもできなかった」
一方、FWの大儀見は「(リードしたからといって)スピードダウンするのが少し早かった気がする。せっかくマイボールにしても、自分たちの簡単なミスで奪われて、またカウンターを喰らってというのが多かった。どこまで押し込むのか、もう1点取りに行くのかがはっきりしなかった」と反省した。
大儀見「後半の戦い方では勝つのは難しい」
そして、大儀見はこう続けた。
「序盤はアンチ(安藤)がいいポジションを取ってくれたことで、自分も下がっていい形で前を向いてボールを持つことができた。ただ、ケガで(安藤から菅澤に)代わってからは自分の役割も変わってしまい、前線であまりいい形が作れなくなって、守備に回る時間が多かった。
スイスは前半アグレッシブにこなかったけど、後半は右サイドにスピードのある19番を入れてスイッチが入った感じだったので、あれを最初からやられていたらどうなったかわからなかったと思う。勝ち点3を取れたことは評価できる。でも、悲観的にはなりたくないけど、後半の戦い方では上に行ったら勝つのは難しいとも感じたので、そこは改善していきたいと思う」
この試合のターニングポイントが、PKで先制したと同時に、そのプレーで日本合宿から好調を維持していた安藤を故障で失ったことだったのは確かだ。それ以降のなでしこは攻撃のリズムを失い、何とか時間をうまく潰した、という表現が適切だろう。