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予選53得点1失点のスイスを撃破!
なでしこ“苦戦”の原因を選手直撃。
posted2015/06/09 16:40
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph by
AFLO
カナダで開催中の女子サッカーW杯は現地時間8日に大会3日目を迎え、日本代表「なでしこジャパン」がスイスを相手に1-0と勝利し、連覇に向け白星スタートを切った。
グループCは、スイスを含め、第2戦以降で対戦するカメルーン、エクアドルの3カ国すべてがW杯初出場ということもあり、なでしこにとっては組み合わせに恵まれたとの見方が強かった。
FIFAランキングでも4位のなでしこに対し、スイスは19位、カメルーンは53位、エクアドルは48位と大きくリード。しかし、この日の相手となったスイスは主力のほとんどがドイツやフランスの強豪でプレーし、欧州予選でも9勝1分け、53得点1失点と強さを発揮するなど一部でダークホースとの声も挙がっていただけに、この1勝は大きな価値がある。
グループリーグを首位通過できれば、世界のトップ3、ドイツ、アメリカ、フランスとの対戦を決勝まで避けられる可能性が高い。それを踏まえても、スイス戦は今大会のなでしこの命運を左右する一戦だった。
有吉がえぐり、大儀見と安藤が飛び込む!
快晴のバンクーバー、BCプレイス・スタジアム。観衆はおよそ2万5000人と半分の入りだったが、所々に日の丸もはためき、なでしこにとってアウェイ感が薄かったこともリラックスして試合に入れた要因だろうか。キックオフ前の円陣でも、多くの選手から笑みがこぼれていたのは印象的だった。その余裕からか、固さが目立ったスイスをなでしこが立ち上がりから押し込んだ。
18分には有吉佐織が右サイドを深くえぐり、中央へパス。これに大儀見優季と安藤梢が飛び込んだ。そして26分に大儀見からのパスを受けた安藤がエリア内でシュート体勢に入ったところで相手GKと激突し、PKを獲得。これを宮間あやが冷静に右足でゴール左隅に突き刺して先制した。
その後も、37分に宮間の左からのロングクロスから阪口夢穂、41分には右サイドの大野忍の突破から最後は菅澤優衣香と澤穂希がそれぞれチャンスを掴んだが、ゴールにはつながらなかった。