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巨人に3連勝した工藤采配の“妙”。
原監督も唸る「戦う前の圧力」とは。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/06/08 11:40
就任以来初の5連勝で首位を走るソフトバンク・工藤公康監督。就任1年目での優勝も視野に入ってきたか。
原監督も認めた「圧力をかけてくる」攻撃。
第3戦も5-2で勝利し3連勝。それは、工藤監督の攻めの采配によってもたらされたのだとしても不思議ではない。2年ぶりにホーム同一カード3連敗を喫した、巨人・原辰徳監督の敗戦の弁が物語る。
「全体的に、相手打線が投手陣にプレッシャーをかけていましたね。戦う前に圧力をかけるというか、(対戦相手に)考えさせるのは勝負をする上で重要なこと。ひとつの教訓として、非常にいい3連戦だったと思います」
日本一3度、通算900勝を超える常勝軍団の指揮官を脱帽させたのだから、新人監督が導いた3連勝の価値はソフトバンクの今後に大きな弾みをつけるのは間違いない。
それでも工藤監督は、「ウチらしい、勝つ野球をしていきたい」と謙虚に振る舞う。
まだ57試合。ペナントレースの趨勢は予測できないし、指揮官として慎重な姿勢を見せるのも頷ける。
だが、選手個人のポテンシャルに依存せず、一つひとつ意味のあるプレーを実践するソフトバンクが凋落するわけがない。