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ACLでなぜ日本勢は苦戦するのか?
城彰二が指摘する、3つの理由。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2015/05/09 10:50

ACLでなぜ日本勢は苦戦するのか?城彰二が指摘する、3つの理由。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

2敗1引き分けからの3連勝でベスト16進出を決めたガンバ大阪。昨年J三冠のチームでさえ苦戦を強いられているのだ。

3つめのポイントは、メンタル。

 3つめは、メンタルです。

 韓国や中国のチームの試合を見ていると、選手が非常に勝負にこだわっていて、勝ちたいという気持ちが全身から出ています。必死でボールを奪いにくるし、強いフィジカルを活かしてガツンと潰しにきます。それだけと言えばそうですが、そういうプレーが当たり前に出来ているので、局面で勝つことでメンタル的にも試合も優位に展開できるようになるのです。

 日本の技術レベルは、まだアジアではトップクラスと言えるでしょう。しかし、それだけで勝負している状態です。絶対に勝たないといけない試合なのに「やる気あんの?」って時に思ってしまうほど、物足りない場面がある。相手にボコボコにやられたり、削られたりした時、「クソッ、こっちもやってやる」という気持ちが出れば、見ている人には必ず伝わります。だが、今の日本のチームの選手からはそういう「熱」があまり感じられません。それだと相手に脅威を与えることもできない。

今のJリーグのレベルは下降気味だと思う。

 サッカーは技術、戦術も大事だけどメンタルが一番大事。そこで負けていては勝負に勝てるはずがない。もうアジアで簡単に勝てる時代ではなくなっている。きれいに勝とうとか、技術があるから大丈夫などと言っているようでは、シビアな戦いには勝てないでしょう。

 日本のトップクラブである浦和と鹿島が敗れ、ガンバと柏の2チームしかベスト16に進めなかったことは憂慮すべきことです。

 Jリーグはアジアでナンバー1のリーグと言われてきました。たしかに組織的な部分ではそうかもしれません。でもACLを見る限り、Jリーグのレベルがアジアでズバ抜けているかと言えば決してそうは思えない。むしろ、トップクラブが勝てない状況では、そのレベルは下降気味だと思います。

 Jリーグの試合はスピードや技術はありますが、国際試合で一番重要な“厳しさ”が足りない。一方、アジアのリーグではお互いに厳しいタックルをしてきたり、体を思い切り当ててガツガツ戦っています。日本では取られているファールが取られないなど本当にタフな戦いをしていると思います。

【次ページ】 リーグ全体で考えるべき問題とは……。

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