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リーグ最高の盾と、10年に1人の矛。
浦和vs.G大阪、焦点はやはり宇佐美。
posted2015/05/01 11:30
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
以前から“Jリーグの試合日程をいちいち劇的にする”ともっぱら評判の試合スケジュール設定コンピューターソフト、通称「日程くん」。
この「日程くん」、今シーズンひとつめの山場をゴールデンウィークに用意してくれたようだ。
5月2日、会場は埼玉スタジアム。第8節終了時点で首位をキープする浦和レッズと、昨季3冠王者で勝ち点1差の2位につけるガンバ大阪の直接対決。全国に生中継される試合として、これほど相応しいカードはない。
ファーストステージの趨勢を分けるであろうビッグマッチ。しかも今回の対戦では非常に分かりやすい図式が用意された。
堅守・浦和の守備組織vs.絶好調・宇佐美貴史の決定力。
数字で表現しきれない現象こそがサッカーの面白さだが、このマッチアップは数字の上でも「Jリーグナンバーワン」同士のぶつかり合いとなる。
槙野、森脇が大きく伸び、西川や阿部も存在感を放つ。
まずは浦和だ。
ACLこそグループリーグで敗退したものの、リーグ戦では6勝2分け。開幕からの8戦連続不敗はクラブタイ記録だ。
その好調を支えるのは、失点をリーグ最少タイの4に抑えている堅い守備にある。以前は3バックの槙野智章や森脇良太がオーバーラップしたところを相手に利用されてしまうシーンも散見されたが、昨年あたりから彼ら2人の攻守バランスが大きく改善したように映る。
その3バック、そして守護神・西川周作とともに堅守の骨格として不可欠なのがキャプテン・阿部勇樹の存在。4月18日に行なわれた第6節・横浜FM戦では、アデミウソンのシュートをゴールライン手前で掻き出すなど、ピッチ全面にわたるスペースケアは円熟の域に達している。彼らの連動性は、昨季樹立した7試合連続無失点のリーグ記録からも明らかだ。