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斎藤佑樹を下して以来、86連敗中。
六大学野球、東大に勝機はあるのか? 

text by

日比野恭三

日比野恭三Kyozo Hibino

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photograph byThe University of Tokyo Newspaper

posted2015/04/09 10:40

斎藤佑樹を下して以来、86連敗中。六大学野球、東大に勝機はあるのか?<Number Web> photograph by The University of Tokyo Newspaper

期待の左腕・宮台康平くんは1995年7月1日生まれで、文科I類所属。戸塚中から湘南高に進み、高校3年春に県大会8強進出を果たしている。

『弱くても勝てます』の開成高校出身者の意見は?

 輝かしい「1勝」から4年半も遠ざかった今季、東大は果たして連敗を止められるのか。東京大学新聞の学生記者として野球部の取材を続ける古川夏輝くん(薬学部3年)に聞いた。

 ちなみに彼は、開成高校の野球部出身。二宮和也主演でドラマ化された『弱くても勝てます 開成高校野球部のセオリー』にも登場する。弱者の戦い方については熟知した人物だと言えるだろう。

 古川くんの口から最初に出てきたのは、「今年は投手陣が圧倒的に良くなっています」という頼もしい言葉だった。

「去年は4年生のピッチャーが1人しかいなかったので、基本的には去年投げたピッチャーが残った形です。各々が成長していて、投手陣はすごく充実している」

神奈川県大会でベスト8に進出した経験もある2年生左腕。

 東大が他の五大学と互角に戦うためには、日々の鍛錬による総合的な戦力の底上げは確かに必要だが、他校も東大以上の環境下で練習に励んでいる現実を思えば、そこだけに勝利の糸口を求めるのは理に合わない。東大に勝利をもたらす最良の薬は好投手の登場だと考えていただけに、古川くんの言葉に期待が高まった。

「個人的に一番期待しているのは宮台(康平・2年)くんですね。湘南高校の出身で、高校時代には夏の神奈川県大会でベスト8に進出した経験もある左腕です。球速も制球力もありますし、今年は去年に比べて変化球の曲がりも大きくなっている。エースの辰亥(由崇・4年)さんとともに、柱になることは間違いないと思います」

 その宮台は、開幕前の最後の試合となった4月4日の東京六大学-社会人対抗戦(対JFE東日本)に先発。4回6失点と打ち込まれたが直球は143kmを計測するなど、ポテンシャルの高さを見せた。他にも、「昨シーズンまでボロボロだったコントロールがよくなって、試合を作れるようになった」という中継ぎの山本俊(3年)など、投手の充実ぶりを語る古川くんの口は滑らかだ。

【次ページ】 打線の話になると、一気にトーンダウン。

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