リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
なぜレアルは「戦力不足」なのか。
“代えが利かない選手”という諸刃。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byAFLO
posted2015/04/09 10:50
29試合を消化して首位バルセロナの勝ち点71に対し、追うレアル・マドリーは67。就任2年目の指揮官アンチェロッティの勝算やいかに。
ケガさえなければ追撃の可能性は残っているが……。
その他、クロースもほぼ毎試合起用されており、プレイ時間はリーガだけで2400分を越えている。中盤の底はイジャラメンディやケディラ、ルーカス・シウバもこなすが、チチャリートのケース同様、監督にとって試合で使えるのはクロースだけということだ。
先週末の第29節グラナダ戦前夜、アンチェロッティは決然と言い放った。
「残りの10戦全勝が目標。今季我々は22連勝を記録している。決して絵空事ではない」
選手はこれに応え、9-1という冗談のようなスコアで大勝した。おまけに、2カ月ぶりに故障から復帰したハメスは早速2つのアシストを記録した。
逆転優勝への第一歩として申し分ない出来だ。しかし特定のポジションに使えるサブがいないチームは、たったひとりのケガで再び調子を崩す可能性がある。しかもケガというやつは、連続出場のせいで疲労を溜めた選手を襲うもの。
マドリーにいま一番必要なのは運かもしれない。