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遂に代表で「居場所」を得た香川。
ハリル式ハイプレスはお手の物か。 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2015/04/02 10:40

遂に代表で「居場所」を得た香川。ハリル式ハイプレスはお手の物か。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

ドルトムントでも復調の兆しを見せていた香川真司が、日本代表でも攻守に存在感を発揮した。ハイプレスからのショートカウンターで、日本に香川の右に出る選手はいないのだ。

代表が求めるサッカーに居場所がある、ということ。

 だから今年1月のアジアカップのあとにこう話したのもうなずける。

「今まで代表のなかで、個人的には一番楽しかった」

 アジアカップではアシスト数、パス成功数はチームトップを記録するなどチャンスメイクに数多く絡みながら、FKやPKなどのセットプレーをのぞけばチーム最多のシュートを放っていた。

 それも、香川がチームの中心として振舞うことができたからだ。もちろん、そこには責任が伴うわけで、UAE戦のPK戦で自らの蹴ったPKがポストにはじかれ、涙を流したのだが……。

 ハリルホジッチ監督のもとで戦った最初の2試合では、7つのゴールが生まれた。ロシアW杯にむけて新たな戦力の台頭が求められるわけで、しっかりと結果を残した選手たちがいた。あるいは岡崎のように力を改めて見せた常連組の選手もいた。

 彼らと比べれば、香川のパフォーマンスはずいぶん地味なものに映る。ゴールを決めたわけではないし、チュニジア戦で見せた素晴らしいパフォーマンスも、相手のパフォーマンスが落ちてからのものだった。ウズベキスタン戦でも、圧巻のプレーを見せられたわけではない。全くもって物足りない。

 ただ、そこに自らの求めるサッカーが、自らの特長にはまるようなサッカーがあることに気がついたことには、大きな意味があるのではないだろうか。

 自らの持つ選手としての特長と、チームの役に立つためにゴールに絡んでいきたいという欲求が活きる場所。日本代表が香川にとって望ましい場所であるという気づきを得たことこそが、何よりも貴重な第一歩となるのだ。

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