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遂に代表で「居場所」を得た香川。
ハリル式ハイプレスはお手の物か。 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2015/04/02 10:40

遂に代表で「居場所」を得た香川。ハリル式ハイプレスはお手の物か。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

ドルトムントでも復調の兆しを見せていた香川真司が、日本代表でも攻守に存在感を発揮した。ハイプレスからのショートカウンターで、日本に香川の右に出る選手はいないのだ。

高い位置からボールを奪うことがチームの共通意識に。

 そのウズベキスタン戦ではトップ下の位置で先発し、後半からは水本裕貴がアンカーの位置に入ったため、インサイドハーフの左側で青山敏弘よりもやや高めのポジションをとった。前半7分にはスルーパスを通して岡崎慎司のエリア内でのシュートを演出し、前半45分には素早いリスタートからシュートを放つもGKにブロックされてしまった。上手く攻撃に参加できたとは言い難い。

 この日の香川に関しては、むしろ守備にこそ見落とせないシーンがあったのだ。前半のキックオフ直後から、香川は岡崎とともに横並びに近い形で、高い位置からハイペースでボールを奪いに相手にプレッシャーをかけにいった。

 岡崎はこのチームの守り方について、こう解説している。

「何が今までと違うかといったら、前が(プレッシャーをかけに)いけば、後ろから来てくれる」

 だから、香川はウズベキスタン戦の前半の守備についてこう話した。

「僕たちも行けるところは行きたかったので。特に前半とかはフレッシュだったからこそ、全部が全部行きたい気持ちはやっぱりあった」

 とはいえ、前半高い位置からボールを奪いに行き過ぎる場面があったことも否定はしない。

「監督が言っていたのは、もっと引いてプレスをして欲しいということだったんですけど、奪ったあとの精度がちょっと悪かった。後半はラインをさげて、そのあとにどうやってボールを奪ってカウンターにいくのかというのを、チームとして上手く意思統一できました」

守備のスイッチを入れる役割を香川は喜んでいる。

 守備のスイッチを入れるという今の役割に、香川は喜びを見出している。良い形でボールを奪って相手の守備が整う前にフィニッシュを目指すことで、ゴールの確率は確実にあがる。

「僕らが(プレッシャーをかけに)いったら、ボランチ、センターバックを含めて、みんなが連動した守備が出来るということはすごく楽しい。チームとしての守備意識がすごく連動しているところはある。そこを高めていけたら本当に素晴らしいディフェンスが出来ると思っています」

 試合が来るのを楽しみにして、そこでプレーすることに喜びを見いだせる。香川にとってはそれは非常に大きな意味を持つ。

【次ページ】 香川は、献身性とエゴを併せ持つ選手である。

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