野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
開幕直前恒例! MLBマニア3人の、
新外国人レビュー2015(パ編)。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byAFLO
posted2015/03/24 10:30
ピッツバーグ・パイレーツから楽天に加入したギャビー・サンチェス。昨季のMLBでの成績は123試合出場、打率.229、7本塁打、33打点、2盗塁。
ソフトバンクの長身右腕は韓国の二冠投手。
●リック・バンデンハーク(福岡ソフトバンクホークス) 投手 推定年俸 2年3億円
Tessy 「ソフトバンクが巨人との争奪戦の末に獲得した長身右腕です。昨年は韓国のサムスンにいて、最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを獲得。ケガで辞退しましたけど先日の侍ジャパンとの試合でも欧州代表に選ばれていましたし、前評判はかなりいいみたいですね」
Toyo 「この人、オランダ人なんだよね。とは言っても、バレンティンやAJみたいにキュラソー島出身じゃなくて、珍しいオランダ本国生まれの人。背の高い本格派で、意外と速いストレートと、縦に大きく割れるカーブが武器。マーリンズで若くして出て来た時は、バート・ブライレーヴェン(オランダ出身の『カーブの芸術家』と呼ばれたMLB通算287勝投手)の再来かと騒がれたこともあったね。確かに、当時のカーブはドロンと大きく曲がって良かったと記憶していますよ」
Tomo 「オランダ本国の出身者とは珍しい。僕の大好きなブライレーヴェン以外だと、NYヤンキースのディーディー・グレゴリアスがアムステルダム出身なぐらいですね。いや、僕はブライレーヴェンの魔球カーブに取り憑かれて米国の野球を観るようになったんですけど、あのニー・バックラー(膝折り)と呼ばれたカーブの曲がりはね、右バッターの後頭部にボールが向かって来て、思わず膝を折って避けようとするとギュギュギューンと曲がってストライクゾーンに落ちてくる……」
Tessy 「Tomoさん、それはバンデンハークの話ですか?」
Tomo 「いや、ブライレーヴェン……です。バンデンハークはですね、マーリンズ、オリオールズ、パイレーツなどで2012年までメジャー通算50試合8勝11敗。去年韓国リーグで良かったそうですけど、メジャーでの登板は目立って良い所もなく、マイナーでは良いピッチングをしてもメジャーでは力を出せない投手でした」
Toyo 「確かにアメリカの終盤は鳴かず飛ばずでね。その後ジャーニーマンとなり、韓国に行ってそこそこの成績を残した。韓国リーグの成功というと……巨人のセドンを思い出すけど、セドンよりキャリアもあるし制球もいい。日本の野球と水が合えば、拾い物となる可能性もあるんじゃないのかな」
Tessy 「セドンというと、5月にセペダが来て2軍に落とされサヨナラした、トイレ洗浄剤に似た名の投手ですね。水が合わなかったんですね。トイレだけに」
Tomo 「開幕当初は韓国野球で最多勝の余波を持ち込んでよかったんですけどね。初登板の広島戦では毎回の15奪三振であわや完投の快投、でもすぐにメッキが剥げました。この例から言っても、バンデンハークもあまり期待できないような気がします」
Tessy 「まぁ、でもケガ明けの教育リーグで好投したみたいですよ。150kmのストレートと高身長からのドロンカーブは見てて楽しそう。ニー・バックラーとまではいかなくとも、かなり曲がりがいいらしいですよ。制球も悪くなさそうだし、セドンよりはやりそうです」
Toyo 「ちなみに、メジャーデビューは、セドンと同じ2007年のマーリンズです(笑)」