「個人の結果よりも、チームとしての結果を」

　翌5日の非公開での30分ハーフの練習試合では、左のアウトサイドで先発し、後半は右のインサイドハーフでプレイし、詰めるべき内容や相談相手がまた増えていく。

「やっぱり監督も代わって新しいチームなので、新鮮だし、楽しいですよ。監督もアドバイスはくれるけど、ピッチでやるのは選手たちだということを常に言っている。そのアドバイスをもとに、自分たちもいろんなアイディアを出せればいいと思います。

　チームは、コミュニケーションがとりやすい空気になってきている。みんなが声をかけて、しゃべって動いて。で、誰かが違うポジションになっても、そこを埋めるというのができている。もちろんまだ始まったばかりだし、連携面での課題もある。相手のレベルが上がれば、やれていたことが難しいという試合になると思います。でも、積み重ねていけば、良くなっていくと思うし、良くしていくようにやっていきたい。

　アギーレさんのサッカー、4-3-3でどういう風にすればチームが良くなるのか、自分が活きるのかと考えながら、4-3-3をしっかり完成させることだと思うんです。

　個人の結果よりも、チームとしての結果がすごく欲しい。それは監督も言っていること。アジアカップのタイトルを守らなくちゃいけない。そのためにも1日1日をしっかりとやっていきたい」

3年後のことよりも、明日の練習を。

　3カ月間不在にしていた間に、日本代表には若い選手たちが増えた。清武の立ち位置も、もう若手ではなく、ベテランと若手とをつなぐ立場になった。変化した環境が自然と清武の自覚を促しているはずだ。

　初招集とはいえ、代表での経験、クラブで培った充実感が清武にはある。苦い時間も含めて、積み重ねてきた日々、育んだ実績が消えることはない。だから、まっすぐに迷いなく、自分を信じられる。

　3年後のことよりも、明日の練習について考える。

　そんな日常が、清武を逞しく輝かせているのだ。