サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
福西崇史がアジアカップを展望する。
「重要なのはキャプテンの存在と……」
posted2015/01/09 10:50
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Getty Images
いよいよ目前に迫ったアジアカップ。11年前に同大会を制した福西崇史氏に、連覇を目指す日本代表の展望を聞いた。メンバーに名を連ねた中心選手の現状や、連覇に向けてのキーマン……。2004年アジア杯優勝を経験した元代表ボランチが挙げたポイントとは?
――さて福西さん、今回はアジアカップに臨む日本代表の中心メンバー、そして連覇に向けてのキーマンを聞きたいと思います。まずは、今大会に選出されたメンバー23人を以下に記します。
<GK>
川島永嗣、東口順昭、西川周作
<DF>
長友佑都、森重真人、太田宏介、吉田麻也、塩谷司、酒井高徳、昌子源、植田直通
<MF>
遠藤保仁、今野泰幸、長谷部誠、香川真司、清武弘嗣、柴崎岳
<FW>
豊田陽平、岡崎慎司、本田圭佑、小林悠、乾貴士、武藤嘉紀
内田篤人不在の右SBは、酒井高徳の持ち味に期待。
――まず最初に触れておきたいのは、内田篤人についてです。以前から痛めている右ひざの状態が思わしくなく、昨年末に代表離脱が決まりました。
福西:彼の離脱は残念だよね。去年の11月にやったホンジュラス戦で素晴らしいプレーを見せていたし、個人的にはアジアカップでの活躍をとても期待していたんだ。アギーレ監督になって以降、ザックの時とサイドバックの攻撃参加の仕方が変わってきた。その変化にもすぐに対応していて、これからは内田の攻撃的な部分がもっと出てくると新たに感じていたから。ただブンデスリーガも1月末まで中断期間に入っているし、今はとにかくひざのケアに努めてほしい。
――その内田不在となった右サイドバックですが、現時点だと酒井高がファーストチョイスになると見られています。
福西:高徳はシュツットガルトでレギュラーに定着しているし、プレーのレベルはまったく問題ない。ドイツで力をつけてきたからこそ、代表でも彼らしい特徴というのをもっと出していってほしい。
――酒井らしい特徴と言うと、けれん味のないオーバーラップですよね。
福西:うん、高徳自身も“自分は攻撃的な選手だ”というのを自覚してるわけだし、攻撃参加は力のみせどころだよね。もちろん、まだまだ成長できる部分はあるけど。
――成長できる部分とは、具体的にどの部分ですか?
福西:オーバーラップを仕掛けた時のクロスの質だね。そこでもっと正確なクロスを上げられるようになれば、高徳はもう一つ上のレベルの選手になれると思う。