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野心よりも、自然体がよく似合う。
帰ってきた清武弘嗣の「逆襲」。 

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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posted2015/01/09 16:30

野心よりも、自然体がよく似合う。帰ってきた清武弘嗣の「逆襲」。<Number Web> photograph by Getty Images

オークランドとの練習試合でアシストを決めた清武弘嗣。ブンデスリーガでも全試合に出場しており、現在最も好調な日本人選手といっても過言ではないだろう。

 1月4日オーストラリアのセスノック・スポーツ・グラウンド。オークランド・シティとの練習試合、61分に香川真司に代わって登場した清武弘嗣。日本代表のユニフォームを着てのプレイは6月24日のW杯ブラジル大会コロンビア戦以来だった。

 W杯終了後、2部に降格したニュルンベルクからハノーファーへ移籍。その頃、日本代表もアギーレ監督が就任し、新たなスタートを切ったが、清武が代表に招集されることはなかった。

「まったく気にならなかったです。それよりもハノーファーでの毎日に集中することを考えていました」

 開幕戦こそ途中出場だったものの、第2節からはすべての試合に先発出場。試合を重ねながら、多くの壁を乗り越えてきた。そんな清武の進境が実を結び、アジアカップを戦う23名に清武は選ばれた。

「本当に信じられなかった。いろんなことがあった1年だけど、終わり良ければ……というかんじですね。ハノーファーでもいい形で前半戦を終えることができました。その勢いというか、良い流れをそのまま代表でも維持していきたい」

 年の瀬の国内合宿では、そんな風に暮れゆく2014年を振り返っていた。

アギーレ体制で初出場した試合でアシストを決める。

 冬の日本から真夏のオーストラリア。30度を越える気温の中で実施された練習試合は、前半から再三のチャンスがありながらも日本は33分に遠藤保仁のラッキーゴールが決まったのみ。後半に入ってもゲームの停滞は続いていた。その状況を打開しようと、清武は何度も前線にパスを送った。しかし、わずかな差で好機は生まれない。それでも清武のパスからは、チャレンジしようとする意図が伝わってきた。

「オカちゃん(岡崎慎司)と(本田)圭佑くんが、すごくボールを欲しがっていましたし、あと一歩のところで合わせれば、チャンスになったのかなと思います」

 1-0のまま、コンディション調整の意味合いが強かった試合が終わろうとしていた89分、右に開いた清武のクロスを岡崎が合わせて追加点を決めた。

【次ページ】 気負いはない。しかしネガティブでもない。

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