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中島裕之獲得失敗は、阪神に福音?
若手育成に迷走した時代に終止符を!
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byAFLO
posted2014/12/18 10:30
アメリカでは結局MLBの試合には1試合も出場できず、AA、AAAでの出場に留まった中島裕之。阪神には、獲得失敗を機に若手の育成に目配りをしてほしい。
21U侍JAPANにも選出された北條史也に期待。
前述のように、阪神はドラフトでその候補生を何人も獲得している。なかでも、来季で3年目を迎える北條は期待ができる。北條は未来のエース候補・藤浪晋太郎と並ぶ、甲子園の大スターだった選手だ。光星学院高校時代は甲子園で3度の準優勝、秋の神宮大会では頂点に立っている。3年時は春・夏とも4番を打ち、3年夏の甲子園で1大会4本塁打を記録している。
昨年はファームで二桁失策を記録するなど守備面での課題はあるが、まだまだ成長過程の選手である。この秋には、21U侍JAPANに選出された。惜しくも優勝は逃したが、1次リーグのベネズエラ戦では逆転3ランを放っている。二塁手での出場だったが、大会ベストナインにも選出されている。北條はこの戦いで大きな自信をつけたことだろう。
このオフ、阪神の補強は失敗に終わったとされている。
しかし、失敗は時として成功の始まりとなるものだ。
若手の育成に迷走した負の連鎖に終止符を打つための、“意義ある大失敗”だったと数年後に振り返ることができるだろうか。