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23人は予想通り、監督は非常事態。
アギーレJ、混迷のアジアカップ展望。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byAFLO
posted2014/12/16 11:15
今季から移籍したハノーファーで、早くも中心選手として存在感を発揮している清武弘嗣。中盤ながら3ゴールを決め、チーム内得点ランキングも2位につけている。
勝利最優先の陣容は、大体予想どおりだが……。
デスク 「じゃあ本題に入ろうか。こういう事態で何か冗談も出てこないけど……まあ、23人のメンバーを見て、どんな印象を持った? 順当というか、堅いかなって感じがしたけど」
二宮 「勝利最優先の陣容だなっていう感想ですね。欧州組の中心選手はすべて招集して、乾、豊田ら結果を出した11月のホンジュラス、オーストラリア2連戦のメンバーが主に入っています。これに加えて継続して呼ばれている武藤、柴崎ら若い選手が組み込まれていて、大体は予想どおりではありました」
デスク 「大体と言うと、何人かは予想と違った?」
二宮 「一番意外だったのは細貝の落選ですね。オーストラリア戦で今野のボール奪取能力が流れを変えたように、対人に強い細貝も激しい守備が持ち味。タイトな試合になればなるほど、闘えるタイプの重要性は増してくるはず。ヘルタでもしっかり試合に出ているし、複数のポジションをこなせる強みもありますから、アギーレ監督はリストに入れてくるものだと踏んでいました」
清武の初招集はサプライズではない。
デスク 「ガンバ大阪の3冠に貢献した宇佐美は今回も入らなかったね」
二宮 「あれだけ絶好調の宇佐美を、代表で見たかったなという思いは正直あります。同じFW枠ではケガ明けの小林悠が選ばれていますが、それだけ小林の評価が高いんだなと感じましたね。守備力、運動量を踏まえた彼の総合力を、アギーレ監督は買っているんでしょうね。それとアギーレジャパンになって初めて清武が選出されましたけど、これは別にサプライズでも何でもないと思いますよ。いつ入ってもおかしくなかった存在です」
デスク 「清武はどこで起用するつもりなの?」
二宮 「今回もベースは4-3-3だと監督は明言しています。清武はMF枠に入っているのでインサイドハーフで考えられていると思いますよ。ただ、会見では『複数のポジションをこなせるかどうかが基準になった』と話していて、清武は左右のウイングでもやれる。ただこのタイミングで清武を呼び入れたのは、監督の違うメッセージも感じるんです」
デスク 「と言うのは?」