勝ち点差は2。優勝の行方は？

「浦和に勝って勝ち点2差まで縮めることができましたけど、まだトップに立ったわけではない。ただ、自分たちが勝ったことで相手にプレッシャーがかかると思うんで、残り2つもしっかり勝ってプレッシャーをかけていきたい」

　遠藤の言葉通り、まだ浦和が有利なのは疑いのない事実だ。浦和は2連勝すれば自力優勝が決定する。今シーズン、連敗がないというデータもそれを後押しする。日程面でも、天皇杯を残すG大阪よりも、リーグ戦に集中できるというアドバンテージがある。

　だが天王山の結果で、優勝への気運は一気に西に流れたように思う。次戦の鳥栖は、浦和にとってアウェイで3連敗中とやっかいな相手。苦手意識は、プレッシャーがかかる試合の時ほど強く働くものだ。

　それを察していたのだろう、浦和は鳥栖戦の前に優勝を決めるべくリスクを冒して前に出た。だが、覚悟を決めて挑み、敗れたショックは計り知れないものがある。しかも次の鳥栖戦は負ければ首位陥落の可能性がある。プレッシャーの大きさは、G大阪戦の比ではないだろう。

　一方G大阪は勢いが増し、自信も膨らんでいる。しかも残り2試合の対戦相手は神戸と徳島だ。神戸は安達監督の退任が決まり、チームの状態はベストではない。徳島戦はアウェイだが現在のチーム力を発揮すれば負ける相手ではない。2連勝で終える可能性が非常に高い。

遠藤「全部勝って2位ならしょーがない」

「相手の結果が気になるのはしょーがないけど、俺らは2連勝するしかない。天皇杯の準決勝をはさむけど、個人的には試合が続いている方がいい。ここまできて体が動かないという選手もいないでしょ。神戸戦はすごく大事になるけど、とにかく天皇杯を含めて残り4試合全部勝つ。それで2位のままで終わるならしょーがない」

　遠藤の言葉には、逆転優勝への確固たる自信が垣間見える。

　ブラジルW杯前は16位と降格圏争いにいたチームがまさか3冠を狙えるところまでくるとは誰も想像していなかっただろう。ここまでの流れはあまりにも劇的過ぎて、まるで「3冠達成」というドラマがあらかじめ出来ていたかのように思えてしまう。そのクライマックスの2つ目を、G大阪はもうすぐ迎えることになるはずだ。