サムライブルーの原材料BACK NUMBER
座右の銘は「自信と過信は紙一重」。
太田宏介が三浦淳寛にもらった言葉。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2014/10/28 10:40
今季J1では全30試合にフル出場。ポジションを争う長友佑都がインテルで出場機会を減らす今は、太田にとって代表定着へアピールするチャンスだ。
都並「お前のストロングポイントは左足」
当時のことを尋ねると、太田は口もとを引き締めて語り始めた。
「プロ1年目は全然ゲームに絡めなくて、2年目はケガ人が多く出てセンターバックをやったりしました。高木さんからジュリオ・レアルさんに監督が代わった時は試合に出られないことも多くて、あまりチームに貢献できていなかった。でも3年目に監督になった都並さんが、サイドバック1本で勝負させてくれたんです。高木さんもそうでしたけれど、都並さんも僕のために厳しく接してくれた方でした」
――都並さんからはどのような教えを?
「最初は守備のことをずっと言われていて、全体練習が終わってからはつきっきりで守備の指導を受けました。そして『お前のストロングポイントは左足なんだから、とにかく磨け』と。
居残りでキックの練習をずっとやったり、都並さんの指導を受けていくなかで、自分の描くサイドバック像というものが段々と出来上がっていったんです」
三浦淳「高い位置で受けたら、とにかく勝負しろ」
――そして三浦淳さんからもいろいろとアドバイスを?
「そうですね、『高い位置で受け取ったら、とにかく勝負しろ』と。前のポジションにいるアツさんがボールをキープしてくれるから、預けて前に行って、ボールをもらったら勝負してクロスを上げるという場面が増えて、得点にかかわれるようになっていきました。
僕はそのあと清水エスパルスに移籍しましたけれど、都並さん、アツさんからはよく連絡をいただいてアドバイスをもらいました。『どうしてあの場面で、体を寄せておかないんだ』とか、まあ、褒めるような言葉はかけられないんですけれどね(笑)」
サイドバックとして一本立ちした横浜FC時代の3年目、太田は肉体改造にも踏み切っている。谷フィジカルコーチからもマンツーマンで指導を受け、筋量を増やして体重は72kgから78kgに増加した。