サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
U-20W杯への大一番、相手は北朝鮮。
注目は南野拓実と、2人の超成長株。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAFLO
posted2014/10/17 11:45
南野拓実がU-19のエースであることは間違いない。しかしその陰で、着々とその座を脅かす存在が育っていることも、また事実である。
目標は長友佑都。世界は視野に入っている。
チームの目標は「U-20W杯出場権獲得」であり、「アジア制覇」である。だが、この大会は個人的には「目標の選手」に近づくスタートラインでもある。
「長友(佑都)選手が目標で、動画をよく見ています。自分と同じように体が小さいので、体の使い方とか、上下の動き方とか、ヘディングとか、すごく参考になります。もちろん体幹もやっています。(前線へ)上がっていく時は、いつも自分のイメージ通りの攻撃をしてチャンスやゴールに結びつけているんで、『すごいな』って思いますね。
しかも世界のトップクラブでプレーしている。そういう選手になりたいと思ってずっとやってきたし、これからもやっていきたいと思います」
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まだ線は細いが、プレーや強気の言動に今後の伸びしろを感じさせる。北朝鮮戦では、長友ばりに攻守でチームの勝利に貢献してくれるはずだ。
162cmのドリブラー、金子翔太。
金子翔太(清水)は、日本では絶滅危惧種になりつつある小兵のドリブラーだ。162cmと上背はないが、重心の低いドリブルでサッサッと相手を抜いていく。一方で粘り強い守備力も備えており、タフな韓国の選手相手に負けない運動量とタフネスぶりも見せ付けていた。勝利後は、高校生のような坊主頭で、丸く愛嬌のある顔をクシャクシャにして喜んでいたが、韓国戦は自分の生き残りを賭けた試合でもあったという。
「初戦の中国戦、たくさんボールを触ろうとしてミスが増え、自分のコンディションも今ひとつでチームに迷惑を掛けてしまった。2戦目のベトナム戦はスタメンから外れて、本当に落ち込みました。このチームに呼ばれてからスタメン落ちしたことがなかったんで……。大輔(高木)に『何、落ち込んでんだよ』って、ひっぱたかれたけど、気持ち的に自分を奮い立たすことが難しかった」
ベトナム戦で松本昌也と奥川雅也が負傷し、日本に帰国。グループリーグを突破するには勝利しかないという厳しい条件の中、攻撃的な選手2人が一挙に欠け、チームに重苦しい雰囲気が漂った。決戦前日、金子はスタメンを監督に告げられた。
「その夜はぜんぜん寝れなくて……。この大きな舞台で相手が韓国で、しかも勝たないといけない。中国戦はいいプレーができなかったけど、今度はもうちょっといいプレーができるかなとか、いろいろ考えるとすごいプレッシャーを感じて……。途中からお腹が痛くなってきてヤバかったです」