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「今はゲームメイクよりも、前で脅威に」
本田圭佑の変化と、変わらないもの。

posted2014/10/09 10:40

 
「今はゲームメイクよりも、前で脅威に」本田圭佑の変化と、変わらないもの。 <Number Web> photograph by AFLO

ゴールという結果が、何よりもチームと監督の信頼を得る特効薬である。セリエAで今季すでに4得点の本田圭佑は、代表でもその決定力を見せてくれるだろう。

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西川結城

西川結城Yuki Nishikawa

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 本田圭佑は、はたして本当に変わったのか――。

 いま、世間のサッカーファンは本田の“変身”に大きな関心を注いでいる。

 イタリア・セリエAの名門ミランで見せるゴールラッシュが、その最たる例だ。どこか重たそうにプレーしていた6月のブラジルW杯の姿は、そこにはない。毎試合、ロッソ・ネロを身にまとって戦う本田は、軽やかな身のこなしで、堂々とゴールネットを揺らしている。

 本田が今季ゴールを決め続けている理由の一つに、ポジションが関係しているのは明らかだ。フィリッポ・インザーギ新監督率いるミランで、彼に与えられたポジションは3トップの右FW。

 どちらかと言えばよりMF然と振る舞うことが多かった昨季に比べ、高い位置を取ることが基本となる。クラレンス・セードルフ前監督は、本田にサイドに張り続けることを求めていたが、インザーギ監督はスタートポジションはあくまでサイドでも、ゴールに向かう柔軟なプレーを許容しているのが見て取れる。

 何より現在の本田は、守備での貢献や攻撃の組み立てよりも、ゴールを奪う、得点を生む最終局面に絡むことが要求されている。攻撃的な選手として非常にわかりやすい立場でプレー出来ていることも、現在の軽快なプレーには関係している。

「今は点を取ることに集中したい」の真意とは。

 そうした立場の変化は、ハビエル・アギーレ新監督を迎えた日本代表でも生じた。本田は代表でもミランと同じ4-3-3の右FWに入る。

「ミランでのプレーが認められたからこそ、アギーレさんにも呼ばれたんだと思っている」

 9月の代表招集時には、そう話していた。チームのディテールには当然違いがあるものの、代表でもクラブでもポジションや役割に大きな差はない。だからこそ、本田は表立って「今は点を取ることに集中したい」と語ってみせたのだろう。

【次ページ】 「しゃべる本田」が戻ってきた。

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