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初のハーフマラソンは、越後湯沢で!
美食はレースの敵? 味方? 

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中島彩

中島彩Aya Nakajima

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photograph byAya Nakajima

posted2014/10/09 10:30

初のハーフマラソンは、越後湯沢で!美食はレースの敵? 味方?<Number Web> photograph by Aya Nakajima

越後湯沢秋桜ハーフマラソンには、無料の足湯や参加賞のコシヒカリなど豊富なサービスも。今年で13回を数える人気レースです。

あの美味しいコーヒーが、まさかの……。

 スタートは快調でしたが、それも長くは続きませんでした。コース中にトイレマークを発見した祖母が「行ってくるわ」とダッシュ! なんと祖母は、5km地点、10km地点の2回もトイレに行ったのです。前日、そして朝も飲んだコーヒーのカフェイン効果が、こんな形で出てきました。

「あの時、コーヒーをガブガブ飲む祖母を、止めておけば……」と言っても後の祭り。しかも79歳の祖母にとってタイツを脱ぎ着するのは一苦労で、2回のトイレに30分強も時間を使ってしまいました。この時間のロスが、今回の大会の大きな敗因となってしまったのは言うまでもありません。

関門で25分オーバー、それでも「走る!」。

 ようやくたどりついた13.5km地点の第一関門、予想通り、関門をクリアできず25分オーバーであえなく棄権となりました。30分もロスがあったのだから仕方ないのですが、祖母や母は意気消沈。あり得ないことが起こったという顔でした(笑)。

 そんな二人の“唖然顔”があまりに気の毒だったのか、「自己責任で歩道を走る分にはいいですよ」と、スタッフの方が事実上のレース続行を許してくれました。ただ、30度を越える炎天下で、一度レースを足止めされた今、これ以上続けるのはさすがに祖母も嫌なのでは、と思ったのですが……。

「走る!」

 祖母は即答でした。そして、その言葉を言ったか言わないかのタイミングで、もう走りだしていました(笑)。「さすが!」と声を合わせて、私と母も後を追います。この時祖母の背中を見て、大阪マラソンにかける本気さが垣間見えましたね。

 そこからは祖母も母も、淡々と、1km9分ちょっとのペースで走り続けました。コーヒー効果も切れてきて、全く疲れを見せないイーブンペース。水分補給もほとんど止まらず、サッサと過ぎていきます。

「辛くない?」と聞いても「全然こんなの辛くないわ!」という返事。じゃあ何がどうだと、辛いんだろうか……(笑)と変なことが気になりつつも、祖母の言葉を信じて、私と母は一歩後ろで並走して行きました。

【次ページ】 同世代の女性からの声援に、ますます元気に。

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