女三代フルマラソンに挑むBACK NUMBER
初のハーフマラソンは、越後湯沢で!
美食はレースの敵? 味方?
text by
中島彩Aya Nakajima
photograph byAya Nakajima
posted2014/10/09 10:30
越後湯沢秋桜ハーフマラソンには、無料の足湯や参加賞のコシヒカリなど豊富なサービスも。今年で13回を数える人気レースです。
ペースは1km9分台。順調なスタートです。
大会は9時30分スタート。私は開会式で挨拶をさせてもらうことになり、祖母や母は最前列でニコニコ。締めで「エイエイオー」と声掛けしたんですが、祖母は誰よりも元気に腕を振り上げていました。
越後湯沢ハーフマラソンのコースは、最初の3分の1は登り坂、その後下って後半は平坦というコースです。天気は最高の秋晴れでしたが、この日は30度を越える真夏日。レース前から熱中症で倒れるランナーもいて、コース的にも環境的にも、これまでとは難易度が段違いの大会でした。
スタートしてから、ペースは1km9分10~20秒。ほとんどのランナーがすーっと先に行きましたが、このペースでも完走は可能。焦ってオーバーペースにならないよう、あえて落ち付いて走り出しました。
大自然で気になるのは、ススキのお値段!?
湯沢の大自然を目に、3人とも興奮。東京や大阪ではなかなか見られない、田んぼや水車、草花、そして極めつけは猿まで! 一方、祖母のテンションが一際上がったのは、ススキ。コース沿いに茂ったススキを見ながら、ポツリとひと言。
「この前、お花をプレゼントする時にススキも入れたのよ、そしたら一本300円もしたんよ! 昔はススキなんて、雑草のように生えてたんやで……! 300円がいっぱい生えてるんやで」
300円がいっぱい!? なんとも大阪の商売人っぽい表現です(笑)。
横から母も「彩ちゃん! ススキをお花屋さんで買う時は、先が閉じてるのがいいからね」という、ススキの目利きまで教えてくれました。
う~ん……自然って、そういう楽しみ方でしたっけ? 自然の風景と、お花屋さんでの実生活を一緒に考えるなんて、これも1つのジェネレーションギャップ。
自然があって当たり前の時代に生まれた祖母にとっては、湯沢の風景は「昔見た風景」。だからこそ、現実の生活とリンクするのかもしれません。
とはいえ、大量のススキを見て“300円がいっぱい!”は想像以上でした。そんな雑談をする余裕を見せながら、まずは順調なスタートを切りました。