「勉強して成長して、黒田さんのようになりたい」

　それにしても話を聞けば聞くほど、メジャーの舞台で場数を踏みながらメジャーに順応していった黒田博樹投手との共通項を見出さずにはいられなかった。

　黒田は2008年のドジャース入り以来、毎年のように進化を遂げ、勝利数、防御率、イニング数を伸ばしていった。そしてヤンキースに移籍してからも安定感は変わらない。

　日本人メジャー投手として初めて5年連続2桁勝利、3年連続200投球イニングを達成している。どうやらチェンもそんな黒田の存在を意識しているようだ。

「ダルビッシュは30試合しか投げなくても200イニング投げることができる。そういうピッチャーだと思うし、凄いと思う。でも僕は30試合だったら上手くいっても180か190イニングだと思う。それならできるだけ多くの試合数を投げるようにすれば、200イニング投げられるようになるんじゃないか、というのが僕のイメージなんです。

　僕も黒田さんのように何年も連続で200イニング以上投げることを目標にしているんですけど、まだまだ自分にはメジャーリーグでやるために足りない部分がいっぱいあるので、これから勉強して成長して、黒田さんのようになりたいですね」

　オールスター期間中に5人ローテーション制、中4日登板に疑問を呈したダルビッシュとは正反対に、メジャーの現行制度を受け入れ、その中で自分を高め目標をクリアしようとしているチェン。

　本人の言葉通り、まだまだメジャー球界の中で発展途上にあるだけに、今後もチェンの投球に注目していくべきだろう。