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元中日・チェンがMLBで開花するまで。
2人のコーチと、黒田博樹の存在。 

text by

菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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photograph byGetty Images

posted2014/09/23 10:40

元中日・チェンがMLBで開花するまで。2人のコーチと、黒田博樹の存在。<Number Web> photograph by Getty Images

オリオールズのチェン投手。昨シーズンの成績7勝7敗、防御率4.07から、今シーズンは9月16日時点で、16勝4敗、防御率3.58と大きな飛躍を遂げている。

「日本で育ててもらった日本人投手のようなもの」

 ご存知の方も多いと思うが、チェンは中日ドラゴンズに8年間在籍した後、本人のメジャー挑戦の意志が尊重され、2012年からメジャーに移籍してきた台湾出身の左腕投手である。

 本人も事あるごとに「自分は日本で育ててもらった日本人投手のようなもの」と話しているように、いわば“準日本産”投手でもある。

 シーズン前半こそ田中将大投手やダルビッシュ有投手の活躍の陰に隠れた存在になっていたが、後半戦ではMLB全体でも屈指の成績を残している。

 9月15日時点で自己最多の16勝(4敗)を記録し、防御率も3.58とメジャー3年目で初めて3点台を維持。アジア人先発投手の中で最も素晴らしいシーズンを過ごしている。

チェン本人が語る、今シーズン成功の要因とは。

 それではチェンが今シーズン成功した秘訣はどこにあるのか。本人に直撃してみた。すでに日本を離れて2年以上が過ぎているにも関わらず、相変わらず流暢な日本語で丁寧に答えてくれた。

「メジャー3年目で、今が一番いいピッチングをしているというか、しっかり試合をつくれるようになってきたというのを感じてます。過去2年は試合の組み立てがあまり良くなかったし、すごく球数が多かった。それを何とかしなければならないというのが今年のテーマだったんです。

 球数を減らしてイニング数を投げられるようにするために、自分の変化球、投球術を向上させなければならないというのがありました。それでも(シーズン)前半戦は苦しいピッチングをしていたと思いますが、後半に入ってきてようやく自分のリズム、投球内容を掴めるようになってきました」

【次ページ】 野茂英雄、吉井理人らも師事した投手コーチの存在。

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