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W杯メンバーの大量招集と、無名選手。
新たな23人に見るアギーレの“好み”。

posted2014/08/29 16:30

 
W杯メンバーの大量招集と、無名選手。新たな23人に見るアギーレの“好み”。<Number Web> photograph by AFLO

代表入りを噂すらされていなかった選手を含め、独創的な23人を招集したハビエル・アギーレ新監督。最初の大舞台は1月のアジアカップ、果たしてどの選手が生き残るのだろうか。

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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 ハビエル・アギーレ監督体制になって初めての代表メンバー発表には、2つの驚きがあった。

 1つは、意外にもブラジルW杯メンバーを多数入れてきたこと。アギーレは就任会見で「ベースに置きたいのは4-3-3」「守備に力を入れていく」などとザックジャパンからの変化を示唆している部分もあったため、もう少し入れ替えてくるのではないかと見ていた。

 だが、発表された23人のなかでW杯メンバーは過半数の12人(川島、西川、長友、森重、吉田、酒井宏、酒井高、長谷部、岡崎、本田、柿谷、大迫)を占めた。加えて26日の試合で接触プレーによって脳震とうを起こした香川真司については「最初のリストに入っていた」と彼は明かしている。

 さらに右ひざの炎症を抱える内田篤人、13日の練習で右太腿を痛めている清武弘嗣(23日の開幕戦は後半15分から途中出場)は「ケガで招集見送り」ということだろうし、山口蛍もケガで離脱中だ。彼らが万全だと判断されていれば呼ばれる可能性が高かったように思う。

 4年前、南アフリカW杯でベスト16に進んだ岡田ジャパンからの「継続、肉付け路線」を取った前任者のアルベルト・ザッケローニのデビュー戦(2010年10月アルゼンチン戦)では南アW杯メンバーは14人であり(田中マルクス闘莉王はケガで欠場)、ほぼ変わらないと言っていい。

「W杯メンバーにアドバンテージはない」

 ただ、アギーレはこう強調する。

「若手、ベテラン、初招集、国内組、海外組などと私は区別しない。全員が日本代表なんだと思っている。ゼロからのスタート。23人のなかで最も状態のいい選手、練習を通じて最も理解できる選手を(スタメンに)選びたいと考えている」

 あくまでゼロベースからスタートさせるという意思表示。ブラジルW杯メンバーだからといってアドバンテージはなく、“自分の手元に置いて自分の目で見極める”とのスタンスを取る。自分の目指すスタイルに合致するかどうか、W杯メンバーをふるいにかけようとしているわけだ。

 その一方で「2試合(ウルグアイ戦、ベネズエラ戦)を考えてのベストメンバー」とも語っている。これはつまり、ザックジャパンのメンバーに高い評価を与えているのだと言えるだろう。親善試合だろうが、あくまで試合は「テスト」ではなく「勝負」にこだわる姿勢が垣間見えたのも興味深かった。

【次ページ】 ノーマークだった坂井、松原、皆川の3人。

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ハビエル・アギーレ
坂井達弥
松原健
皆川佑介
武藤嘉紀
森岡亮太

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